追試報告第2弾 東京都八王子市より



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八王子市の薮田先生から追試報告がとどきました。実は先日の「日本が好きになる!歴史&公民授業セミナー」に参加してくれて、資料は池袋会場で手渡しでいただきました。感激しました!

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このたび、令和6年度6年生の授業で齋藤先生が開発された歴史授業を実践いたしました。
今回が初めての全授業追試です。
この授業を通して、子供たちは資料を貼ったノートを何度も振り返り、自分の意見を作り上げながら、問いに対して真剣に考えを述べる姿を見せてくれました。
このような学びの深まりを目の当たりにするのは、3度6年担任をしていて初めての経験でした。
授業を重ねるごとに、子供たちは歴史にのめりこんでいきました。
「もっと知りたい!」「この時代の人々はどう考えていたんだろう?」
と興味をふくらませ、休み時間や給食の時間にも歴史授業の話が出てくるほどでした。
授業が子供たちの知的好奇心を刺激し、学ぶ楽しさを実感させるものになったこと、本当に感謝しております。
子供たちが変わっていく、そんな授業を体験できたのは、齋藤先生のご指導のおかげです。貴重な学びの機会をいただき、心よりお礼申し上げます。(薮田顕嗣)
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◆薮田先生、追試実践ありがとうございました。素晴らしい成果をあげられた由こちらこそ御礼を申し上げます。

◆さて、お手紙には、6年生の感想文「我々のご先祖様たちへ」が添えられていました。それも紹介します。

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★命のバトンをつないでくれてありがとうございます。
私は歴史の授業を受けて、日本についてたくさんのことを知り、日本のことをほこりに思いました。
私が印象に残っているのは、奈良時代の聖武天皇が行った世界一大きな大仏をつくることで、37万人の人が参加し協力しました。日本は世界一古い国で、今でも協力することが大切にされていて、世界でも信頼されています。このときの聖武天皇の「国民みんなで作ろう」という提案はすごく良いものだったと思いました。
他にも印象に残っているのは、聖徳太子が日本のために十七条の憲法、冠位十二階をつくったり、国づくりの三大方針を言ったことです。聖徳太子がなくなった後でも、聖徳太子の後を引き継ぐ人がどんなことを大切にしながら国づくりをしていけばいいのかが分かりました。大国とも対等に付き合う独立国は少し時間がたったけれど、今は世界の人から信頼されてすごいなと思いました。
他にもたくさんすごい人がいて、たくさんの人が努力したから、今はすごく平和になったと思います。
次は私が国づくりのバトンを繋げるようにがんばります。
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★日本の通史を学んだ後に、このような日本という国の歴史の本質をついた簡潔な文章を書ける。
頭の中に、年代と歴史用語と人物名の束が詰まっているだけではこうはなりません。この子にはほかの国にはない「日本という国の物語」がしっかりと心にあるのです。高校生でも中学生でもありません。ほんとうは、薮田学級のこの十二歳に日本中が驚いてもいいのです。

◆最後の一文を書けるか書けないかも大きな違いですね。まさしく歴史を「自分のこと」として学んだ結果だからです。この子は「繋げる」をしっかり漢字で書いていました。

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★まず昔から今までの進化を、今ここに残してくれてありがとうございます。
ご先祖様たちがいなかったら、いま私はここにいません。本当に生きてくれてありがとうございます!!
辛いことがあっても乗り越えられるそんな強い人になるので、天天天天天天天国で見ていてください(ドヤ!)
戦争になったら、この世にたった一つしかない国を守るために、みんな力を合わせて戦っている姿を見て、とてもすごいし強いなと思いました。
今までの歴史のノートを見ていると、最初らへんの縄文・弥生時代はまだ可愛く見えてきましたww
でも時代が進むにつれ、戦争も激しくなっていきました・・・・・・・・・・この世に戦争なんてなければよかったのに・・・・・・そんなことを考えてます。戦争がなければどれだけの人が亡くならずにすんだか、どれだけの血が流れずにすんだか・・・でも、なってしまったものは受け止めなければならない。悲しい現実です。夢だったらよかったのに。夢でも嫌ですね・・・・でも、今までにあったことを子供に孫にも曽孫にも話をしようと思います。コドモガデキタラダケド 子供ができなくても世界中にいる子供たちに話をする勢いで話していきまーす!!
みんな戦争は嫌いだと思います。だからこれからは戦争を起こさないようにしないと!
でももう始まりそう・・・竹島の問題とかで・・・でももう戦争は嫌です。大切な人を失いたくありません。それはみんなの願いだと思います。
これからもっともっと日本を発展させていきます!!私たちはチームです。仲間です。色々な人との関りを大切にして生きていきます。
悲しい話は終わりにしましょう。

(中略…縄文時代からの歴史が延々書いてありました!)

私がこれから日本につくしたい?ことは、楽しく生きることです!!
世界には死んでしまう子供(私たちと一緒)がいるので、自分にとっての精一杯を生きたいです。
前に辛くなって死にたくなったことがあったけど、友だちがいたから、推しがいたから、生きる希望が見つかりました。なので、友だちも推しも大事にしたいと思いました。世界に苦しんでいる人がいるのに死んでどうそするんだと感じました。
なのでたまには休けいして、また走りだせばいいんだと感じました。
話は変わって、世界には苦しんでいる人がいるから積極的に募金をしようと思いました。
死にたくなってる、辛くなってる人がいたら、手を差しのべられる人になっていきたいです。人に頼ってもいい、泣いたっていい、こんな気持ちを大事にしたいです。
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◆子供の文字を追うのはけっこう骨が折れます。二人目はすごい長文で、しかも、はげしく生き方問題が綴られていてびっくりしました。
ちょっと疲れましたので、今回の感想文掲載は二点にしておきます。

◆歴史の感想文で、自分たちの先祖にあてた手紙を書いいます。
その最後に、自分はどう生きるかを先祖に伝えようとしています。
歴史で?と、飛躍を感じる方もおられるでしょうが、これも「日本が好きになる!歴史授業」では十分に想定範囲内です。ただ単に昔のことをたくさん知ったね、新しい知識がいっぱい増えたね、という話では決して終わらないからです。

◆12歳の子供たちをここまで連れてきてくれた薮田先生に心から敬意を表します。乾杯です。

◆むかしぼくたちのことを「軍国主義教師」とよんだ方々は、ぼくたちが歴史を教えたら、戦争好きな子供、戦争をやりたがる子供、粗野で知性を欠いた子供が育つと悪口を言っていました。この文章はそれに対する見事な反証になっていると思います。授業を受けた大多数の戦争観はこういう立場になります。
この子も気合の入った反戦派であり、避戦派です。
しかし世界の現実を見るリアリズムもしっかりあります。
同じ反戦でも、いわゆる空想的な平和主義とは一線を画しています。

◆追試報告をしてくださる先生方へ
子供の感想文については、代表作いくつかでいいので、できましたらファイル化していただけるとありがたいです。
お忙しくて無理な場合は、コピーは濃い目でお願いします。まあ、ほとんどは無理でしょうからコピーでも送って下さい。よろしくお願いします。
勝手言ってスミマセン。


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この記事を書いた人

昭和24年、埼玉県生まれ。昭和59年、大宮市の小学校教員に採用される。大宮教育サークルを設立し、『授業づくりネットワーク』創刊に参画。冷戦崩壊後、義務教育の教育内容に強い疑問を抱き、平成7年自由主義史観研究会(藤岡信勝代表)の創立に参画。以後、20余年間小中学校の教員として、「日本が好きになる歴史授業」を実践研究してきた。
現在は授業づくり JAPAN さいたま代表として、ブログや SNS で運動を進め、各地で、またオンラインで「日本が好きになる!歴史授業講座」を開催している。
著書に『新装版 学校で学びたい歴史』(青林堂)『授業づくりJAPANの日本が好きになる!歴史全授業』(私家版) 他、共著に「教科書が教えない歴史」(産経新聞社) 他がある。

【ブログ】
齋藤武夫の日本が好きになる!歴史全授業
https://www.saitotakeo.com/

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