ぼくたちは「軍国主義教師」というレッテルを貼られましたが、それは間違いでした。
ぼくたちは自由主義・民主主義の立場に立つふつうの教師でした。
違いがあるとしたら、歴史授業で「日本を大切に思う心」を子供たちに伝えたいと考えていたことでした。
そこから「東京裁判史観」の歴史教科書を批判していました。
彼らは「大東亜戦争サイコー!戦争大好き史観」で教えるアブナイやつらだと宣伝しました。
テレビも新聞も口をそろえてそんなことを言いました。まだネットはないので今のように手軽に反論も出来ません。
ガンガン叩かれているうちに、一般の先生方も「そうなのか。そいつはあぶねえな。近づかないようにしよう」となっていきました。
当時ぼくたちが書いていたことをちゃんと読めば、そんな極端なレッテルは貼れないはずでした。単に敵認定したから攻撃を始めただけなのでしょう。そうやってぼくたちの教育界での影響力を潰しました。
かなりへこたれましたが宣伝戦では勝てません。また口先で「違う!」と言い返してもあまり意味がありません。
これは「歴史授業」という全国の学校で起きている「教育の事実」だからです。
授業が悪いものであれば、子供たちはいまここでその被害を受け続けていることになります。
口先では子供を救えませんし、言い合いで決着のつくことでもありません。
ぼくたちは「この歴史教育ではダメだ」と問題を提起した側です。
何かをやらなければならないのは、ぼくたちの側でした。
この歴史授業がダメだというためには、具体的な代案(望ましい歴史授業)を示し、教室で実際に実践して、子供たちの結果を確かめる。授業の成果(子供たちの学びと成長)が。ぼくたちが思い描いたようになれば、ぼくたちが正しかったことになる(ダメならぼくたちが誤っていたことになる)。
こうして代案の歴史授業をつくりはじめました。
1996年~2002年の6年間で、通史の大きなストーリーと主な授業をつくり実践しました。大宮市立春野小学校と島小学校でした。
その結果が『学校でまなびたい歴史』(2003産経新聞出版 2018年復刻青林堂)です。
その後小学校では歴史が教えられない状況が続いたので、急遽通信教育で中学校社会科教師免状を取って私立中学校に移り、新しい授業づくりと実践にはげみほぼ「全授業」をそろえるところまでたどりつきました。
その結果が『日本が好きになる!歴史全授業』(2015私家版)です。
ぼくたちはこういう授業をつくりました。
学習指導要領が定めるカリキュラムに(おおむね)従って「日本の通史の授業」が1セット(全授業)あります。
これを20年やってきました。
その結果、教育基本法と学習指導要領の目標をほぼ達成しました。子供たちの心も健やかです。
しかも「方法」のところで示したように、この授業は仮説実験授業と同様に「誰でもどこでも同じ授業ができて、ほぼ同様の結果が出せる」システムになっています。仮説の授業書ほど厳密ではありませんが、人文系の授業ではこのくらいで十分です。少しずつ先生方の追試報告(教えた事実と子供たちの様子)も蓄積されています。これは齋藤という一個人の授業とその結果ではなく、全国のたくさんの教師たちによる歴史教育の新しい事実、しかも社会的な事実、しかも検証可能な事実になっています。
それらをすべてを公開してきました。
どちらの歴史教育がより望ましいかを、くらべてみることができるようになりました。
ぼくたちが代案提出に時間がかかり待たせてしまいあましたが、授業記録の公開(『学校でまなびたい歴史』)からもう20年、全授業の公開と追試報告が始まってからでも10年たっています。
オールドメディアのみなさんいお願いです。
「軍国主義教師」と攻撃したのは事実と異なっていましたと修正して謝罪ください。
教育界の指導者の皆さん(政治家・文科省・大学教授・教育委員会・学校管理職)にお願いです。
ぼくたちの授業を検討してみてください。せめて読んでみてください。
どうぞよろしくお願いします。
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