前の『評伝』よりも思想を丁寧に辿った内容で深い感銘を覚えた。特に後半はちょっと込み上げてくるものがあった。
小さきものからずっと一貫していたことがしっかり伝わってきた。
渡辺京二の仕事は大学を中退して全共闘までの自分を総括し始めた頃の水俣病の闘いからずっと(ぼくの人生と)重なっていた。氏は親鸞で吉本と別れたがぼくはオウムまではついて行った。まさかの歴史授業をやることになり、逝きし世の面影やバテレンの世紀でまた重なってきた。
おこがましいが読者の思いとしてです。
氏は近代をあくまで否定して土着の共同体に寄り添ったが、ぼくはいまも近代の希望を捨てきれていない。そこが違うところだった。
間違いなく三浦小太郎さんのこれまで最高の著作です。多くの読者に届きますように!
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