4 私のご先祖様は何人いるのだろう?
『さて、みなさんに聞きたいことがあります。その系図で、名前はわからないところもあるけれど、おじいちゃんが二人、おばあちゃんが二人で、合わせて四人いることがわかりましたね』
「はい」
『では、おじいちゃんとおばあちゃんを生んだ両親は、全部で何人いますか?』
「八人です」
『その両親は全部で何人いますか?』
「十六人です」
『その両親は?』
「三十二人です」
『その通りです。系図を一代さかのぼると、みなさんのご先祖様はどのようにふえていきますか?』
「はい・二倍ずつふえていきます」
「かける二をすれば人数がわかります」
『では聞きます。みなさんそれぞれのご先祖様は、全部でいったい何人いるのですか?』
「無限にいると思います」
「数え切れないくらいたくさんのご先祖様がいます」
「ものすごいたくさんの数です」
子供たちは口々にそう答える。しかし、ここでかんじんなことを問わなくてはならない。わかっていることを論理的な言葉にして確かめておくのである。
『みんなが同じことを考えています。先祖は数え切れないくらいたくさんいるだろうと。本当ですか? どうしてそうだとはっきり言えるのですか?』
しばらく間があって、数人の手が挙がる。
「両親がいなければ、子供は生まれないから、先祖は二倍二倍にどんどんふえていくからです」
「昔のどこかでご先祖様が一人でもいなかったら、私はいなかったかもしれないからです。もっと昔にもご先祖がいると思います」
「日本は、縄文時代とか、そこ(黒板のカード年表のこと)にない大昔まであるから、(先祖は)どんどんふえていくからです」
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