2 系図という史料がある
『まずこれを見てください』
黒板に次の資料を貼る。ただし左図の曾祖父の世代の部分は裏に折り返して、しばらく見せないでおく。
『さて、これは歴史の勉強によく出てくる資料ですが、この資料のことをふつう何といいますか?』
「系図です」
正解であるとほめて、「系図」と黒板に書く。重ねて次のように問う。
『この系図からわかることを教えてください』
系図と知っていた子供は数名にすぎないが、この問いには多くの手があがった。それを何とよぶかは知らなくても、図が表している情報は誰にでも理解できるからである。
「齋藤先生の系図です」
「お父さんと、お母さんの名前がわかります」
『そうです、父は元次、母は恒子といいます』
「先生は、元次さんと恒子さん夫婦の子供だということもわかります」
「おじいちゃんやおばあちゃんの名前もわかります」
「親子関係のつながりがわかります」
『はい。そういう親子関係のつながりを表しているのですね。それが系図というものです』
歴史の勉強には、有名な歴史上の人物の系図が出てきます。聖徳太子の系図とか、徳川将軍の系図とか、天皇陛下の系図などです。この齋藤先生の系図は祖父母、父母、私、と三代の血のつながりが表されていますが、いろいろな歴史上有名な人物の系図もこれからの授業の中で見せていきますから、楽しみにしてください
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