朝から雨だったので第三公園散歩は取り止めてだらけた一日になってしまいました。
歩いていないのでちょっと不健康なことを書きます。
昨日は「(きみは)陰謀論という言葉で思考停止になっている」とご批判をいただきました。
老化が進んで頭が硬くなっているのでたしかにぼくの思考は停止しているかもしれません。だから停止頭は認めますし、それ以外のご批判は甘んじて頂戴しますが、前半はいただけませんでしたね
読んで貰えばわかるはずですが、ぼくは「陰謀論」を批判したのではありません。
ある世界の見方とらえ方について賛成できないと書いたのです。
「陰謀論」という言葉も使っていません。
それかよ?!というのが正直な感想です。
世界の歴史にたくさんの陰謀や影響工作があり、今もある、というのは当たり前であって、そこを否定するという話ではまったくありません。
それらがあることを前提にして、リアルはどこにあるか?いまある影響工作の本質は何か?どこによるどんな影響工作が今世界を動かしているのか?現実にある主権国家や企業などはそれらにどう対応しているのか?そうした認識を通して、いま起きている現実(例えばロシアウクライナ戦争)はどう読むのが国益にかなうのか?などなど。
それがインテリジェンスヒストリーであり、1991年以後可能になった新しい学問です。
ぼくらはそういうことを江崎道朗さんから学びました。
ぼくらが近現代史教育の改革を志したころ、すでにスターリン批判の膨大な蓄積があり、三田村武夫『大東亜戦争とスターリンの謀略ー戦争と共産主義ー』という業績もありました。したがって、ソ連による「帝国主義戦争を革命へ」という大戦略とそれに基づく世界規模の謀略があったこと、その一端がゾルゲグループや尾崎秀実であるということは明らかでした。ですから大東亜戦争についてもそういう観点の教材化を始めていました。
ところが、保守系の大御所からコミンテルンの話は「陰謀論」だから学問的には認められないという批判があり、身動きが取れなくなったことがありました。
これがぼくらの授業づくりが「陰謀論」と否定された始めです。その後江崎さんの一連のお仕事のおかげで、エビデンスのある史実として実証され、ぼくらの授業でも自信を持って使える教材になったのです。
ソ連という謀略の主体があり、なぜそうするのかという戦略や戦術が見えるようになり、日米英中を舞台としたスパイ活動や影響工作の証拠も明らかにされてきて、ようやくこれは「陰謀論」というお話ではないことが立証されてきたわけです。
しかも、重要なのは、それでもスターリンの謀略が原因で第二次世界大戦はその結果だというような単純な因果関係にはならないこと何重要だと思います。これも授業づくりで留意しているところです。
この件はもうこのくらいにします。
ぼくの言いたかった中心は昨日も書きましたが、現在の世界秩序の主要な対立を「グローバリズムvs.ナショナリズム」という図式でとらえ、前者が「DSまたは国際金融資本またはネオコンまたはユダヤまたはソロスまたは・・・」であり、後者が「ユーラシア大陸の旧帝国専制国家」であるという捉え方は怪しいので、もう少しよく考えていきましょう、ということです。
ああこんな長くなったということはたくさん無駄があるということですね。失礼しました。
ちなみにこのタイムラインでこの件について議論をする意志はありません。
ご批判はそれぞれご自分のタイムラインで、
ご存分にお願いします
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