3 講和条約を結んで「戦争」を終わりにしよう!
■アメリカは日本に賠償金なしという寛大な講和条件を示した。ただし沖縄諸島は占領を続けることになった。吉田内閣はこれを受け入れた。
■問題になったのは、日本の安全保障だった。
共産主義の侵略がいま目の前で起きている(朝鮮戦争)のに、日本には軍隊がなく、憲法では戦争放棄をうたっている。
■憲法について、吉田茂は自衛権はないと言い続け、1950年1月施政方針演説で、初めて自衛権はあると述べた。しかし、自衛権を行使する軍がない。
マッカーサーは日本弱体化憲法9条を「人類の理想」だと宣伝し、日本人の中にもこうした理想主義(?)に共感する人が増えていった(言論の自由がないので)。
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│ 皆さんが吉田内閣の閣僚の一員だったら、A~Dのどの方針を支持しますか?
│ 資料を読んで考えましょう。
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A:再軍備せず、アメリカ軍には撤退してもらう。
●日本は侵略戦争をやって負けました。日本が戦争を始めなさえしければ、アジアは平和だったのですから、日本が軍隊を持たなければ、アジアの平和が保たれるのです。だから日本に軍隊はいりません。(アメリカ占領軍民政局:ケーディス)
●日本に軍隊がないならばソ連が日本をいただこう。そうすれば日露戦争以来の夢がかなう。日本の生産力と労働力を使えばソ連はますます発展するだろう。(ソ連第一書記:スターリン)
●全面講和によって非武装中立を守り、アメリカ軍にも出て行ってもらう。そうすれば戦争に巻き込まれることはなく、憲法9条の理想が実現できます。本音を言えば、地上の楽園共産主義の実現もたやすくなります。(日教組の先生)
B:再軍備せず、アメリカ軍にこのまま駐留してもらう。
●せっかくすばらしい憲法を作ったのだから、軍隊を作るのはやめよう。理由は5つ。①日本の軍国主義化を恐れる国がある。②占領軍の威信が失墜する。③五等国に落ちた日本の軍備などあてにできない。④日本経済は軍備の負担に耐えられない。⑤日本人は平和主義を愛している。ただし、アメリカが日本の平和と安全を守ってあげます。日本は太平洋のスイスになればいい。(占領軍総司令官:マッカーサー)
●日本の経済力はどん底で軍備に予算をつける余裕はない。朝鮮戦争でアメリカ軍がいないので治安維持の警察力は強化しなければならないが、共産主義国の侵略にはアメリカ軍に守ってもらおう。まずは経済の復興がだいじだ。また、いま再軍備すれば国内の共産主義勢力が社会不安を引き起こす。これはアメリカにとってもマイナスだろう。(首相:吉田茂)
強調文C:再軍備し、アメリカ軍にこのまま駐留してもらう。
●アメリカの駐留軍4万人だけではソ連の侵略に対抗できません。3~5個師団(15~20万人)の日本軍再建計画を立てたので、ただちに着手してほしい。
(占領軍司令官:アイケルバーガー中将)
占領軍の責任で憲法を改正し再軍備しなえければならない。これまでのような日本弱体化政策は日本の共産主義化を進めるだけだ。アメリカの目的は、合衆国の強力で安定した同盟国日本をつくることでなければならない。アメリカ軍も貢献するがNATO(ヨーロッパの同盟関係)と同様に日本も自由主義陣営のために貢献しなければならないのだ。 (ジョージ・ケナン:アメリカ冷戦政策立案者)
●吉田茂は旧日本軍を嫌ってるが、軍事力のない国家が独立できるわけがない。アメリカ軍に保護されれば、最後はアメリカに隷属することになるのだ。国防は軍事のプロに任せればいい。われわれはGⅡのウイロビーと組んで、すでに陸軍再建計画(ダレスが吉田に示したもの)を作成してある。ぜひこれを生かしてほしい。
(元陸軍大臣秘書:服部卓四郎)
D:再軍備し、アメリカ軍には撤退してもらう。
●日本は再軍備しなければならない。憲法9条は私の修正(芦田修正)があるからだ いじょうぶだ。再軍備は、あくまで自衛のための戦力であって「国際紛争解決のため の」軍ではないからだ。さて、その上で、本土に駐留する占領軍には撤退してもらう のが望ましい。そうでないと国民は占領が終わっていないと言うだろう。マッカーサ ーも言っていたが、沖縄のアメリカ軍とくに空軍があれば、再建した日本軍と共同し て日本の防衛は十分可能である。
(元首相:芦田均)
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│【私の考えと理由】
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