感想文「特攻隊員の遺書」



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5年前、三重県桑名市の津田学園中学校で教えたときの感想文が出てきたので紹介します。少人数制だったので、これで学級全員分です。

感想文集「特攻隊員の遺書を読んで」 平成22年2月2日の授業から

◆4人とも国のために誇りに思って戦っていることが、とても印象的です。特に、植村さんは、娘の人形をお守りにしていたそうで、娘への愛がすごく感じられるし、お守りがあることで、何倍ものパワーになることが想像つきました。植村さんは、素子さんにとっても、心の中に生き続ける自慢の父親だと思います。日本のために戦った、こんな素晴らしい人たちを、私たちは忘れてはならないと思います。

◆4人とも、感謝の気持ちを忘れずに、日本を守ろうとしているのだと思いました。こういう若者がいたから、日本は逆境に立ってもがんばれたのだと思います。国民は、このような人たちがいたことを、忘れてはいけないと思いました。私も、常に感謝の気持ちを忘れずに生きていこうと思います。

◆この人たちは、まだまだ若いのに、すごい立派な大人の考え方を持っていて、すごいなと思いました。こういう心の持ち主が戦ってくれたおかげで、この日本が今もあるのだから、感謝しなければいけないって思いました。本当に、この人たちは、自分のことよりも人のことを第一に思っていて、すごく心のキレイな人なんだと思いました。

◆特攻隊として出撃するということは、ほとんど死を意味しています。なのに、4人からつらさや恐怖といった感情は伝わってきません。いくら国のため、大切な人のためとは言っても、自分の死をおそれないなってありえないと思います。それを感じさせないなんて、すごく意志の強い人達だったんですね。それとも、本当に大切な人のためなら死ぬことも喜びになるのでしょうか。正直、理解できません。
 ただそういう人達がいたのだと思うと、悲しいというか、切ないというか、そんな気持ちになります。

◆これを書いた人たちは、みんな、自分の命を捨てるようなことなのに、みんな、いやだとか、こんなのやりたくないとか言わずに、逆に、父も感謝してくださいというので、すごいなと思いました。これが特攻隊なんだなと思いました。

◆私は幸せなんだな~と思いました。両親に授かったいのちは大切だけど、国のために命を使いはたしてしまうことの方が大切だと考えるものなのでしょうか?私は幸せだから言えるのかもしれませんが、両親は、子を亡くして幸せに生きられるのでしょうか?と思ってしまいます。

◆この4つの手紙を読んで、これから特攻して死にに行くというのに、あまりそのことを感じさせない、とても潔い感じがして、とても自分はこんなすごいことはいえないだろうなと思いました。

◆特攻隊の人たちは、皆若くして亡くなり、大切な人と別れなくてはならないのはとても悲しかったことだと思いますが、国のためだと涙をこらえる人も多かったことでしょう。命をなくすにもかかわらず、家族の幸福を祈ったり、誇りと喜びを感じたりしていて、すごいと思いました。また、こういう人たちがいて今の日本があることを、誇りに思うべきだと思いました。

◆特攻隊の方々の家族への手紙を読むと、すごく悲しくなりました。みんな特攻隊として死ぬことを、不幸だとも悲しいとも思っておらず、むしろ立派だと思っていることが、より悲しくさせました。
 ただ、大切な人の幸せを願っているということがとてもよく伝わりました。もしも自分が特攻隊として死ぬことになったら、大切な人の幸せを願ったりするのかなと思いましたが、死ぬことが立派だ、喜ばしいことだ、とは思えないかなと思いました。

◆私はまず、特攻隊の人たちが、自分たちが死んでしまうことを怖がっていないことに驚きました。その上、国のために命を捧げることに誇りを感じているなんて・・・、信じられません。現在の私たちでは考えられないと思います。
 特に印象に残っているのは③の植村さんの手紙です。自分がもう子どもに会えないとわかっているのに、子どもの将来を思いやったり、周囲の人たちに感謝する気持ちを教えたりするなんて、なんて立派な父親なんだろうと思って、本当に感動しました。
 この手紙を書いた人たちも、心の奥では死ぬのが怖くてたまらなかったと思います。それに、彼らの母親や父親も、きっと嘆き悲しんだのではないかと思います。でも日本を守ろうと、最期まで命をかけて戦ってくださった人たちには、とても感謝の気持ちでいっぱいです。私たちは、こんなふうにして日本を守ってくれた人たちに恥ずかしくないような日本を作っていかなければと強く思いました。

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この記事を書いた人

昭和24年、埼玉県生まれ。昭和59年、大宮市の小学校教員に採用される。大宮教育サークルを設立し、『授業づくりネットワーク』創刊に参画。冷戦崩壊後、義務教育の教育内容に強い疑問を抱き、平成7年自由主義史観研究会(藤岡信勝代表)の創立に参画。以後、20余年間小中学校の教員として、「日本が好きになる歴史授業」を実践研究してきた。
現在は授業づくり JAPAN さいたま代表として、ブログや SNS で運動を進め、各地で、またオンラインで「日本が好きになる!歴史授業講座」を開催している。
著書に『新装版 学校で学びたい歴史』(青林堂)『授業づくりJAPANの日本が好きになる!歴史全授業』(私家版) 他、共著に「教科書が教えない歴史」(産経新聞社) 他がある。

【ブログ】
齋藤武夫の日本が好きになる!歴史全授業
https://www.saitotakeo.com/

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