下に今朝の二つのニュースを載せてあります。それを見てぼんやり浮かんだ与太話を書きます。
パナマやグリーンランドの件と同様、ウクライナのレアアースもアメリカにとっては対中国問題である、といえばいえるでしょう。主権国家の安全保障問題だと。
けれども、これはどことなくヤクザの親分がみかじめ料を巻き上げる手口とそっくりではありますね。
「ゼレンスキ親分よお、プーチン組にひどくやられているようだがそろそろおまえさんも限界だろう。これ以上うちが助けるわけにはいかん。余裕もないしな。とにかくこの出入りを終わらせてやるから、命が惜しければ、お前んとこのレアアースを寄こしな」
プーチン組との出入りを止めるのに、弱小ゼレンスキ組の話なんか聞く必要はないし、それをやったら返って平和は遠のくだよ。ここはプーチン組との話でうまく治めてやるからだまって従いな。
そもそもこの戦争は核を持ってる強いプーチン組に逆らって戦争をやっているお前が悪い。
だまって降参してプーチン親分のいうことを聞いておけばおけば平和だったんだ。
ということはつまり「この戦争を始めたのはお前なんだよ!」
強い組が弱小の組を自分のものにするのは、大昔から渡世の決まりなんだからな。
トランプ親分はプーチン親分とうまくやって、近平親分を抑えていく。
世界の秩序のためはこれしか道がない。という物の見方である。
19世紀国際法秩序といわれるものも、内実はこれだった。
しかし、表向きではあっても「国際法」をいうかどうかは大きな違いがありそうだ。
ただ、強組の親分たちはそれは「偽善だろう」と考え始めている空気が見える。
こういう最近の展開はたしかに19世紀の帝国主義の国際秩序に似ている。
かつて江戸の平和で日本文明を完成させていた日本は、いきなりこのヤクザ的文明世界に放り出された。
世界中の有色人種の組はみんな白人の強大な組に組み敷かれてしまっていた。
生き残るためには仕方なく、日本は近代立憲国家を立ち上げて生きのこった。
当時独立すると言うのは、世界を支配できる強い組になるということだった。強い組だけに主権があり、その他大勢には主権がなかったからです。
そうやって日本は大日本帝国組になり、世界五大強組にのし上がったのだが、最後は強組どうしが取り合いをはじめて、この世界ヤクザ戦争に敗れた大日本帝国組は滅びてしまった。
戦後は、悪い組を滅ぼした正義の組が仕切って世界ヤクザ連合を立ち上げた。
俺たちの言うことを聞けば平和と援助をあげましょうという「ソフト・ヤクザ世界」だが、表は国際法・裏は力の支配やってきたが、強い組が入れ替わりつつあるいま、そのメッキがはがれてきたというわけだ。
これが新帝国主義国際秩序ならば、こんどは「最後には核兵器とミサイルでブイブイ言える」と「IT&AIで世界を仕切れる」の二つが強いヤクザの条件になるのだろう。
この新帝国主義が19世紀とどこが同じで、どこが違うのか。見極めなければいけないのだろう。
かつて、大英帝国が仕切っていた帝国主義時代は。いちおうヤクザのルール(国際法)みたいなものが成立していた。
しかし、20世紀初頭にアメリカと革命ソ連が台頭して、ガラガラポン時代になってしまい、日本は相当割を食った。
戦後の「ソフト・ヤクザ世界」ではアメリカとソ連のにらみ合いが世界の秩序を保っていた。しかし、ソ連が崩壊して、アメリカが大英帝国の役割を演じるはずだったがこれも思いのほか脆かった。
もうヤクザ世界を仕切るのはやめた。これからは自分勝手に生きていくぜとトランプ組長は言っている。
横暴なアメリカによってひどい目にあわされたロシアは己なりの筋は通したいと戦争を始めた。
中華も世界(東アジアだけだけど)を仕切ってきた国として「MTGA(メイクチャイナグレイトアゲイン)」をめざしている。おれたちには帝国主義時代にひどい目にあわされすぎた恨みがあると。
どいつもこいつも「偽善的な国際法」なんかより「むき出しの力」の方が、わかりやすくていいと考えているように見える。
さらに不気味なのは、ウクライナ戦争は「核の価値」をあからさまに高めてしまったことだ。
プーチンが核をちらつかせて欧米がこれにビビった。それを北朝鮮が見ていたことです。
せかいがいまどうなろうと、今現在の日本はこれまで通りトランプ組の属国としてしか生きられないわけですから、うまくやって何とか生き延びていきたいものです。霞が関周辺の皆さん、頼みますよ。
今朝の各新聞はUSAとウクライナの合意を報道した。下のような記事だ。
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米・ウクライナ、資源権益で基本合意 双方が譲歩と報道 「安全」の保証は盛り込まれず(産経新聞 23時間)
23 時間トランプ米政権がロシアの侵略を受けるウクライナへの支援の対価として同国産レアアース(希土類)などの資源権益の譲渡を求めていた問題で、英紙フィナンシャル・タイムズやウクライナメディアは25日、消息筋の話として、米国とウクライナが基本合意に達したと報じた。双方が譲歩したという。今後、同国のゼレンスキー大統領か担当閣僚が訪米し、合意に正式署名する可能性があるとしている。
この問題を巡っては当初、5000億ドル(約74兆5000億円)相当の権益譲渡を求めた米国に対し、ゼレンスキー氏は法外だとして合意を拒否。トランプ米大統領がゼレンスキー氏を「独裁者」と呼ぶなど両国対立の要因となっていた。基本合意の成立が事実であれば、両国の関係修復に向けた道筋が開ける可能性がある。
報道によると、新しい合意では、米国が5000億ドル相当の権益譲渡要求を取り下げ、ウクライナと資源関連収益を管理する共同基金を設立すると規定。基金にはウクライナの石油・天然ガスを含む資源や関連インフラの収益の50%が充てられ、同国経済に再投資される。
一方、合意には、ゼレンスキー氏が求めていた「ウクライナの安全」を保証する内容は盛り込まれなかったという。(小野田雄一)
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また次のようなテレ朝ニュースは次の記事を配信している。
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プーチン氏、ウクライナ占領地で米国とレアアース共同開発を提案 占領の正当化狙いか(テレ朝news • 1 日)
ウクライナとアメリカでレアアースを巡る交渉が難航するなか、ロシアのプーチン大統領がレアアースのアメリカとの共同開発を提案しました。占領地も含むとみられます。
トランプ大統領は24日、「プーチン大統領と戦争の終結に加え、アメリカとロシアの間の主要な経済開発取引について真剣に話し合っている」とSNSに投稿しました。
その直後、モスクワ時間の夜遅くにプーチン大統領はレアアースに関する会議を急きょ開催し、アメリカとの共同開発の可能性について言及しました。
会議の後、国営メディアのインタビューに応じたプーチン大統領は「(占領した)新しい領土にも鉱物資源がある」とし、「アメリカを含む外国のパートナーと協力する用意がある」と述べました。
アメリカをはじめとした外国企業を占領地に誘致することで実効支配を正当化する狙いとみられます。
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