『慰安婦性奴隷説をラムザイヤー教授が完全論破』 



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J・マーク。ラムザイヤー『慰安婦性奴隷説をラムザイヤー教授が完全論破』(ハート出版)を読んだ。

論文が4本掲載されている。藤岡さんが書いた前書きがわかりやすい。

第一論文は「戦前日本の年季奉公契約による売春制度・・・性産業における『信用できるコミットメント』」(1991)

1991年は金学順が韓国で初めて「元従軍慰安婦」を名乗り出た年です。吉田清二が書いた強制連行ウソ話をもとに、韓国と日本の活動家や左翼研究者などがいわゆる「従軍慰安婦」問題でうごめき始めた時期にあたっている。

ラムザイヤーさんの第一論文は、そもそも明治大正昭和の日本の売春制度(年季奉公契約に基づく)はどのようなものだったかを学問的に明らかにしたものだった。

親は娘を仲介業者(女衒)の手にゆだねて都会に出す。このときまとまったお金が親または娘に渡される。娘は3年とか6年とか期限付きで(年季という)遊郭で働いてこの借財を返していく。借金の返済が終わったら(もしくは年季が明けたら)娘は退職できる。この制度を「年季奉公」という。

「年季奉公」はたんに性産業特有の仕組みではなかった。安土桃山時代のころに成立した雇用慣行で、年季奉公の仕組みで農村から就職した若者は、商人や職人の家に住み込みで働いて仕事を覚え、やがて独立していった。このような丁稚や見習いは奴隷ではない。娼婦もこれと同じだった。が近代的な雇用関係が一般的になるにしたがって、年季奉公の割合は減り始め、娼婦の世界(一部の職人なども)に残ることになった(戦後の売春禁止法まで)。仕事の特殊性のためである、このことと人身売買(奴隷)のような比喩が使われ続けたのは同じ理由である(特殊な仕事)。

吉田清二の強制連行ウソ話や「娘の身売り」といった比喩が、年季奉公という契約関係や実際の待遇などを無視して、「性奴隷」という極端な用語を導く原因になった。「性奴隷」という用語が事実にそぐわない悪意のあるプロパガンダであることが第二論文で明らかにされる。

第二論文「慰安婦と教授たち」(2019)と第三論文「太平洋戦争における性サービスの契約」(2020)は、いわゆる戦時の慰安婦制度(いわゆる従軍慰安婦)が、第一論文で明らかになった「年季奉公契約における売春制度」とまったく同様のもののだったことを明らかしている。売春婦を雇いたい業者とまとまった金を得るためなら売春もいとわない者が、雇用期間を定めた契約関係を結んだ。戦時に出征した将兵に売春の需要があることは古代からずっとわかりきった話である。業者は特別な契約を結んで娘を集めた。戦場に近づくなどの危険性を加味して前払い金(貸付金)が割増しになり毎月の給与も高額になるなどである。いくつかの条件が違うだけで、基本的には平時の売春婦の年季奉公契約と同じです。

こうして「慰安婦=性奴隷説」はウソだったことが明らかにされています。

政府や軍は業者が契約上の不正(詐欺的契約・契約違反など)を行わないように取り締まったり、性病予防などの衛生管理を徹底するなどを行いました。これらは慰安婦の権利・兵士の安全を守るための関与っであり、まことに人道的なものです。もちろんそれは将兵の性病による戦線を離脱を防ぐためでもあります。

第三論文は第二論文の要約ですが、この論文が発表されるや否や、ラムザイヤー教授は韓国から攻撃を受けるようになります。それはやがてアメリカにも広がり脅迫や殺害予告にまでエスカレートしました。さらにひどいのは、アメリカの人文系の学者や日本研究者からの見当違いな批判が続きました。学者たちは団体で「論文の撤回」を要求しました。学問の自由・表現の自由に対する反人権的な要求でした。彼らは自ら全体主義者であると名乗りを上げてしまいました.その中には吉見義明などの日本人活動家のグループも含まれていました。

彼らに対する、ラムザイヤー教授の反論が第4論文です。これを読めば「完全論破」という表題の意味がよくわかります。

「従軍慰安婦」は戦場に出張した売春婦のことであり、日本の売春業者の実態(娼婦への待遇など)は比較的人道的なものであったことがわかります。吉田清二のウソがあきらかになり、朝日新聞は関連の記事をすべて撤回して謝罪しました。韓国の良心的な学者も健闘しています。また、従軍慰安婦問題を商売にしてきた活動家組織も「元慰安婦」の離反や金銭問題で追い詰められました。

しかし、まだ問題は残っています。

韓国が世界中に建てた慰安婦像とその解説文が残っています。国連のでたらめな文書も撤回されていません。何よりも重要なのは悪名高い「河野談話」が撤回されていないことです。これがあるかぎり「日本は政府が認めている」という論点も残っています。また、欧米の学者1たちの多くが、アメリカ南部の黒人奴隷も「年季奉公」だったとみなしていて、年季奉公は業者の不正(年季を守らない、ひどい奴隷状態の境遇など)と不可分であり、日本の売春婦も「奴隷だった」とみなしていることです。日本の学者の皆さんの奮起が望まれます。そして最後は政府の見識と外交力ではないでしょうか。

世界中に暮らしている日本人の人権を守ることが重要です。こういう「従軍慰安婦」のようなプロパガンダで被害(実害)を受け迫害されるのは海外在住の日本人だからです。

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この記事を書いた人

昭和24年、埼玉県生まれ。昭和59年、大宮市の小学校教員に採用される。大宮教育サークルを設立し、『授業づくりネットワーク』創刊に参画。冷戦崩壊後、義務教育の教育内容に強い疑問を抱き、平成7年自由主義史観研究会(藤岡信勝代表)の創立に参画。以後、20余年間小中学校の教員として、「日本が好きになる歴史授業」を実践研究してきた。
現在は授業づくり JAPAN さいたま代表として、ブログや SNS で運動を進め、各地で、またオンラインで「日本が好きになる!歴史授業講座」を開催している。
著書に『新装版 学校で学びたい歴史』(青林堂)『授業づくりJAPANの日本が好きになる!歴史全授業』(私家版) 他、共著に「教科書が教えない歴史」(産経新聞社) 他がある。

【ブログ】
齋藤武夫の日本が好きになる!歴史全授業
https://www.saitotakeo.com/

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