2月からひまになってというか、進んでひまにして、本も読むがテレビで映画やドラマよく見るようになった。
「英雄たちの選択」(NHK)というのを見たら、ぼくの「日本が好きになる!歴史授業」のパクリでした(笑) かためて10本くらい見たがなかなか面白かった。
「歴史に名を残した人物が人生の選択を迫られた際に抱えたであろう葛藤に着目した歴史エンターテインメント番組。あらかじめいくつかの選択肢を専門家の考証に基づいて想定。俳優らによる短いドラマやアニメーションなどを使って再現シミュレート、ゲストコメンテーターと司会者が「自分がその人物だったらどれを選択するか」を発表していく」
これは拙著『学校でまなびたい歴史』を読んだからに違いない。ぼくの本は2003年に出た(産経新聞社)。英雄たちの選択は2013年から始まったらしい。この本は3万部以上売れたからNHKも読んだことだろう。こういう発想の授業や歴史の学び方はそれ以前の日本にはなかったからたぶんそうだろう。人気番組らしいからNHKはぼくにあいさつに来た方がいいな。ふふふ。
話は変わり「フロンティア」というNHK番組の「日本人とは何者なのか」からの情報を紹介します。
分子生物学(遺伝子・DNA解析)の90年代以来の進歩は人類学がすぐに導入したが、ヒトゲノムの解読が終わり、次世代シークエンサというマシンが登場して、2010年以後飛躍的に進化した。古人骨の解読が容易になり、保存状態の悪い古代人骨のわずかなDNAでかなりのことがわかるようになったらしい。
タイの古人骨(3~4万円前)の解析によると、縄文人がこれとほぼ同じだった。
現生人類(ホモサピエンス)は20~10万年前にアフリカで生まれた。6万年前になってその一部がアフリカをでた。アラビア半島を渡って西に行ったグループと東に行ったグループに分かれた。東に行ったグループはヒマラヤ山脈でこんどは北と南に分かれた。このグループが東南アジアで狩猟民になるが、そこで止まらずにすぐに東シナ海沿いを北上したグループがいた。そのうちのほぼ1000人が最初に日本列島に住み始め(3万年前)旧石器時代の日本列島人になった。縄文人はこの直接の子孫らしい。
旧石器時代と縄文時代の1万年2000年のあいだ、南回りのその後何回かのグループと、北回りのグループも列島に入ってくるが、氷河期が終わって海面が100m下がってからは列島内でほぼ同じような狩猟民の文化をいとなんだ。
3000年くらい前から大規模な稲作や金属器などの新文化を持った大陸人が三々五々流入してきて、縄文以来の日本列島人と混血が始まる。このDNA解析によって縄文時代の日本列島人のDNAは、縄文以来のDNAが6割、大陸人由来のDNAが4割という結果になった。これがいわゆる縄文弥生二重構造説の実態らしい。
ここまではまあこれまでの常識だったわけだが、最近古墳時代の人骨(庶民)のDNA解析が始まりこれまでの常識にはなかった結果が出てきている。覚張隆史助教(金沢大学)によればそのDNA解析の結果が現代日本人のそれとほぼ重なるらしい。古墳時代に相当な量の大陸人の移住があったことを想定しなければならないようです。
こういうグラフが示されていました。
「~祖先」や「混血の割合」の具体な意味がもう一つ不明ですが、とてもびっくりしました。
ちょっと心穏やかではありませんが、事実であれば古墳時代のイメージが大きく変わる可能性があります。
古墳時代の人骨のゲノム解析の結果、縄文と弥生以外の渡来系DNAが6割を占めていて、それは現代日本人のゲノムとほぼ同じだったというのです。つまり遺伝的に見た日本人の成立は古墳時代(3世紀以後)だったということになります。
ただ古墳時代の古人骨の解析はまだ始まったばかりのようですから、たぶん資料も十分とは言えないでしょう。これをきっかけに古墳時代の分子生物学による考古学研究が進む可能性大ですから、注目して見守りましょう。
また弥生の稲作を持ってきた人々がどこから来たのかなどかなり確定的なことがわかってくることでしょう。
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