岡本裕司先生(千葉の小学校の先生)が素晴らしい授業スライド集を作成してくれました。もちろん「日本が好きになる!歴史全授業」を追試するための全授業スライドです。使った先生方はみな「わかりやすいだけじゃなく、アニメーション効果などふんだんに使っていて、子供たちもノリノリでした!」と絶賛しています。
パワーポイントのスライド集「斎藤実践 Re-Build by 岡本裕司」
前回紹介した松尾英明先生が、メルマガでとてもわかりやすく、その意義も含めて紹介してくれていますので、お許しを得て紹介させていただきます。
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「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術
第2213号(2024/3/2)
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■誰にでもできる小6日本史歴史授業の改革
前号の続き。
小学校における歴史の授業は、改革が確実に必要である。
自虐史観の強い教科書の改訂もさることながら、授業自体の改革が急務である。
ここで少し「自虐史観」についてふれておきたい。
「自虐史」を教えられてきた自覚が、どれぐらいあるかがまず問われる。
本メルマガを読んでいるような方は、自覚症状がかなり強いことが予想される。
そうだとすると釈迦に説法ではあるが、少しお付き合い頂きたい。
(特に近代の)歴史のどの場面でもいいのだが、印象的なものを一つ思い浮かべて欲しい。
どれぐらいそのことについて、
「自分の目や耳、手足で実際に見聞きしようとしたか」
「自分の労力を割いて勉強し、調べたか」
である。
「目や耳、手足を使う」「勉強する」とは、自分で文献を調べたり、その地を訪れたり話を聞いたりする機会である。
授業で使う教科書や資料集以外の本を、どれぐらい読んだか。
実際にそれが起きた地を訪ねてみたり、体験者の話を聞いたりしたことがあるか。
あるいは、地元にある歴史的な遺跡等についてどれぐらい語れるか。
全部ではなく、どれかたった一つでもいい。
台湾やモンゴル、タイ、トルコ、あるいはパラオのような超親日国の土地を訪れたことがあるか。
訪れたことはなくてもそのような親日国が世界中にあることや、その理由を知っているか。
逆に、中国や韓国のような反日教育を政治的な施策として行っている国を訪れて、何か感じたことはあるか。
(現地の国の若者たちの多くは、その教育の偏りぶりに気付いているらしいというのが救いである。)
国内にある原爆資料館や特攻記念館、ひめゆりの塔等の、戦争の負を残す施設を訪れたことがあるか。
外国側の、アメリカのスミソニアン博物館や中国の南京大虐殺記念館のようなものでもいい。
行って見て感じたことがあるか。
どれぐらい、自分自身の五感を投入して勉強したことがあるか。
これらが教える側にも「一切ない」「あまり興味がない」という状態は、決して珍しくない。
なぜならば、これまでの学校教育でそういうことを教えていないからである。
個別の体験・学びに完全に依存している。
教える側からしても面白くもないと思っている教科書の内容を、ただ教えて暗記させているだけ、という痛々しい現状が散見される。
「歴史の授業自体が暗記ばかりで嫌いだった」
「戦国時代は時間たっぷりとって学べて面白かったけど、近代史とかは人がたくさん出てくるし、時間がなくて教科書読むだけで終わったからよく意味がわからなかった」
という人も少なくない。
そうなると「教科書の記述が全て」ということになる。
「日本は諸外国にこんなことをしました」だけの記述で学ぶようでは、自虐史観が強まるのは必然である。
そこには歴史的背景が全く書かれても語られてもいないからである。
その理由は、分量の問題もさることながら、あまり詳しく書くと「教科書検定」で引っかかるからである。
何でもそうだが、検定を通すためには「当り障りのない記述」が望まれる。
例えば、真珠湾攻撃。
アメリカ側からすれば、かつてトランプ元大統領が「Remember Pearl Harbor」と言ったように、「正義」を語るために政策として利用されている。
対して「なぜ日本は勝ち目の薄すぎるアメリカに真珠湾攻撃をするまで追い込まれたか」を語れることが、日本の教師には必須である。
ここまで読んで「そんなこと知っているはずがない」「別に関係ないし困っていない」というのが、世間一般の意見である。
教える立場であっても同様である。
なぜならば、先にも前号でも書いたが、そのようなことは学校で教えられていないし、そうなれば試験でも問われないからである。
その結果として「日本に誇りをもてない」「自国の歴史にも興味がない」という残念な姿を世界に露呈してしまっている。
どうすれば、そのような知見・知識が得られるのか。
勉強すればいい話である。
しかし「そんなこと」に割く時間はないというのが、多忙な日本の教師の現実である。
では、どうすればいいのか。
教えながら同時に学んでみればいい。
教師にとっては、あらゆる教科において最も効率の良い勉強法といえる。
社会科の歴史授業が他と違って困難に思われやすいのは、先の理由により教師の側に十分な知識がない場合が多いという点にある。
だから、それを教師にも教えてくれる授業本があればいい。
ここにPowerPointのような視覚的資料があれば、教えるにあたって最高である。
では、その小6日本史の全授業分PowerPointデータについてである。
前号でも書いたが、今回紹介するものには前提として、次の本だけは最低限必要になる。
『授業づくりJAPANの日本が好きになる!歴史全授業』 齋藤武夫著
https://www.saitotakeo.com/books_and_dvds/
全て、この授業を行うことを前提として作られたデータだからである。
(ちなみに、今日紹介するPowerPointデータには、一緒に児童配付用のWordデータ資料もセットでついてくる。)
歴史授業準備に1年間かける時間が大幅削減された上に、自分自身が勉強になって、子どもが感動する授業が作れる。
そこに二千円程度をかけるのを「高い」と思うかは、人それぞれである。
さて、この本があるだけでも素晴らしい授業になるのだが、腕(あるいは語り)に自信がないというのが普通である。
優れた補助教材が更に欲しい。
ユーモアや雑学も交えた面白い内容、興味をひく写真資料が数多く欲しい。
できれば、学年にいる初めて6年生をもつ若手でもそんな良い授業ができるとしたら、万々歳である。
そこで、PowerPoint資料である。
一年間のデータが公開できたらいいのだが、残念ながらそれをアップすること自体が(私の技術的に)できない。
そこで、ブログにアップした動画で紹介する。
「黒船来航」
https://hide-m-hyde.blogspot.com/2024/03/pdf.html
今回紹介する資料は、千葉の岡本裕司先生という方の作成した資料のごくごく一部である。
齋藤武夫先生の実践を追い続け、育休中の合間を縫って、自前で全ての授業について資料を作成したという。
全部で70時間分の実践、PowerPointとWordデータ合わせて1ギガ分ある。
相当気合の入った作品である。
何とこの力作を「無料」で提供してくれるという。
無料提供の理由は「斎藤実践を広めて日本の教育の向上に貢献したい」という思いだけである。
広告収入とか売名等は、一切合切全くないと断言する。
(そもそも当の岡本先生は、販売用媒体をもっていない。)
完全な「奉仕品」である。
こちらが欲しい方は、岡本先生ご本人のアドレスへ連絡すれば、データを送ってもらえる。
(齋藤注記)メルマガには岡本先生のアドレスが掲載されていますが、ここでは省略させていただきました。
「メルマガを読んで連絡したが、齋藤武夫先生の歴史授業をするためのデータが欲しい」
と一言伝えてもらえば大丈夫である。
(またこれも常識すぎて書くのも恐縮だが、連絡される際にはフルネームで所属等含めてきちんと名乗って頂きたい。
無料提供であり商用データではないので、匿名の方、用途の全くわからない方には当然お渡しすることができない。
先方の善意に甘えて紹介させてもらう身として、この点だけはお願いしたい。)
(齋藤注記)このスライドは本ブログでから配布することにします。
岡本先生は現役の先生ですから、不特定多数からスライド送付を依頼されたら対応しようがありません。
相談の結果ファイルの無料配布は
「このスライドを使って授業を追試する先生・テキスト&CDを購入された先生に限る」
こととしました。後日本ブログで配布の仕方を紹介しますのでしばらくお待ちください。
歴史授業の改革は、誰にでもできる。
なぜならば、ここに必要なツールが全て揃うからである。
日本の教育を良くしたい。
このメルマガの信念に最も沿う今回の機会を、読者の皆様には是非ご活用頂きたいと願うばかりである。
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■編集後記
本当に良いものなので、自信をもって推薦します。
「こんなものが欲しかった!」を形にしてくれています。
試しにでいいので、是非実際に見て動かして楽しんでみてください。
できれば学校・学年などで共有して実践してくれると最高です。
今日もお読みいただき、ありがとうございます。
↓質問やご意見等はこちらへメール
edih.4280@gmail.com
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☆発行責任者:松尾 英明
以上です。松尾先生ありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 岡本スライドについて詳しくはこちらの記事をごらんください。スライドの一部「黒船の授業」の動画も見られます! […]