「日本が好きになる!歴史授業講座」が渡邉尚久先生との出会いで始まり、千葉の先生方に支えられて昨年の10周年を迎えられたことについて前回書きました。もちろんそれ以前からたくさんの方にこの授業を応援していただき、また、この10年の間もたくさんのみなさんにお世話になってきました(きっかけは渡邉先生だったとしても)。前回書いた後、そのことについてもお礼を言いいたい気持ちが募ったので、振り返る意味でも書いておきます。だいぶボケて記憶に抜けがあるので失礼があったらごめんなさい。30年前から20年前のことですが、この10年間で前回書けなかったことも書きます。
1 自由主義史観研究会
ぼくが歴史授業に取り組むことになったのは、1993年の「近現代史の書き直しプロジェクト」からです。
これは藤岡信勝先生(当時東大教育学部教授)が始めた研究会で数人のメンバーが研究室に集まって勉強会をやりました。そのメンバーが2年後自由主義史観研究会を立ち上げました。また翌年には「新しい歴史教科書をつくる会」が立ち上がりました。自由主義史観研究会の教師メンバーはそのまま「授業をつくる」という立ち位置で、教科書の方は藤岡先生にお任せになりました(教師用指導書など部分的なお手伝い)。自由主義史観研究会は20周年を機に解散しました。
「日本が好きになる!歴史全授業」は藤岡先生と自由主義史観研究会のメンバーがいなければ生まれることはありませんでした。藤岡先生、上原さん、安達さん、佐藤さん、服部さん、飯島夫妻など、小・中・高の教師メンバーとの長い研鑽の結果です。たくさのことを教えていただきました。また、『授業づくりJAPANの 日本が好きになる!歴史全授業』(私家版)には、安達・佐藤・服部・飯島の授業を一つずつ収めさせていただきました。
みなさんありがとうございました。
2 公的な援護
自由主義史観研究会は産経新聞と明治図書を除くメディアと教育界では完全に右翼扱いでしたので、公教育の場で実践研究を進めるには多少デリケートなところもありました。
そこに安心と勇気をもたらしてくれたのが、平成10年度(1996)の文科省学習指導要領の改訂でした。この時戦後初めて歴史公民教育の目標として「国を愛する心情を育てる」「国民としての自覚を育てる」が掲げられ、補足として「神話を教えて建国についての先人の考え方に関心を持たせる」「天皇への理解と敬愛の念を育てる」が入りました。この記述は現在も継承されています。
80年代を通じて左傾化が勢いづいていた文部省(2001から文科省)がこれを出したことに驚きましたが、おそらく1995(平成9年)に発足した「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」(会長中川昭一・事務局長安倍晋三)の貢献があったに違いありません。この改訂は、ぼくたちを強く励まし「やれる!」という強い希望を与えてくれました。このときの議連の皆さんには感謝しかありません。ありがとうございました。
ぼくたちの授業は、古代や近現代史の一部で指導要領の指示する「内容」(教科書の記述)を修正したり多面的に考えさせたりする部分があるのということで批判されたわけですが、教育では「内容」よりも「目標」の方が上位概念です。この指導要領によって、何か問題が起きた際に「目標を達成できる授業こそ望ましいのでは?」という主張が可能になりました。そしてそれが断然正論になりました。なぜなら教科書を教えていたらこの目標は達成できないからです。ぼくたちは目標を達成できる(学級の90%以上)通史の授業をその10年後には達成し今日に至っています。
その後、第二次安倍晋三内閣で教育基本法が改正され、日本の教育の目標として「国を愛する態度を育てる」「国民としての自覚を育てる」ことが明記されました。これを教育界はみな無視してスルーしていますが、いつか教育の現状が「法に対する反逆ではないか?」が問われることになるでしょう。安倍さんにはたいへん感謝しています。
みんな忘れてしまっているけど、この目標を先生方やってますか?と聞いてみたいな。「日本が好きになる!歴史授業」はやってます!安達弘の「人物学習による歴史授業」はやっています!服部剛の「公民・歴史・道徳」はばっちりやっています!やってるだけでなく大いに目標を達成できていますよ。
3 講座開催などへの謝辞
・日本が好きになる!歴史授業講座は千葉で始まり、さいたま市に移り、オンライン開催から池袋ハイブリッド開催につづきました。
・千葉開催では請舛まりん先生と旧姓・蛭子井(八児の叔母美里)先生がよく受付をしてくれました。蛭子井先生はぼくの実践を「日本が好きになる!歴史授業」と命名してくれた大恩人です。また、1年間連続開催で全授業を伝える講座というアイディアは川口愛弓先生でした。そのおかげで、『日本が好きになる!歴史全授業』という本も生まれたのですからこちらも大恩人ですね。みなさん、ありがとうございました。
・さいたま市(大宮ソニックホール)開催では、伊橋さん、松本さん、江戸さん、菅野さん、育美先生、星野先生などたくさんの皆さんに助けていただきました。ぼくが謎の感染症(新型コロナの3年前)で隔離されたときには、河邊先生などに代理講座をやってもらいましたね。大宮開催もけっこうたくさんの教師を集めることができ参加教師は関東全域から全国に広がっていきました。たまに『学校でまなびたい歴史』を読んで感動しました!という先生方との出会いもありました。みなさんのおかげで本人がドタバタだった(胃ポリープ切除・突発性難聴で右耳の聴力を失う・謎の感染症で死にかけた?)さいたま市開催も無事進行できました。ありがとうございました。
・コロナネット開催から池袋開催ですが前回書いたので省略します。ひとつだけ神楽さんがご自身の作曲した「スーパーヒーロー」という曲のMVにぼくを登場させてくれて宣伝してくれました。これは感動ものでした!!ありがとうございました。
・あと宣伝効果が大きかったいくつか。小名木善行さんがブログで『日本が好きになる!歴史全授業』を好意的に紹介してくれたこと。神谷宗平さんのCGS(YouTubeチャンネル)で「日本が好きになる歴史」という連続の動画を撮ってくれたこと。YouTubeでは茂木誠さんが動画4本で紹介してくれたこと。これら有名人のネットの宣伝力は凄まじくビックリでした。ありがとうございました。
・最後に、地方で講座を何回も開催してくれた方にお礼を言います。これも多くは渡邉先生の紹介でできたことです。
まず小学校の先生の開催。地方講座の最初は札幌の山田洋一先生でした。山田先生はむかし自由主義史観研究会のメンバーだったこともあります。遠距離だったので山田先生にはたいへん迷惑をかけました。ごめんなさいといろいろありがとうございました。新潟Tossの小林義典先生が燕三条で何回も開催してくれました。小林先生は20年前からの同志の一人です。ありがとうございました。宗實直樹先生と有馬章公先生は姫路で開催してくれました。ありがとうございました。最近では松森靖行先生が大阪(高槻)に渡邉先生とセットで呼んでくれます。今年もあるみたいなのでよろしくお願いします。札幌・姫路・高槻は現職教師の研究サークルのセミナーで参加者は教師中心でした。千葉で開催した講座もほとんどは教師でした。これはものすごい充実感があります!
次に友人の開催。友人の名古屋の近藤良子さんは名古屋駅前で5回も開催してくれました。ありがとうございました。ここで梶川高彦先生と鈴木光城先生と出会い、お二人は開催のたびに熱心に手伝ってくれました。うれしかったなあ!)三木あこさん(最近名前が変わったらしい?)は神戸で4回も講座をやってくれました。希望の教師小山先生との出会いもこの講座でした!ありがとうございました。田村浩也さんは伊丹で数開催してくれました。これは新しい展開があります。ありがとうございました。最近では郡山の渡部幸子さんと川前光徳さんが郡山に何回も呼んでくれます。ここは子供たちがたくさん参加します。ありがとうございました。またまんまるセラピスト小川洋子さんも3回ほどオンライン講座を開いてくれました。ありがとうございました。つい最近では、渡辺希さんが上越市で講座を開いてくれました。上越教育大付属小で授業をやらせてもらえてよかった。ありがとうございました。
印象深い講座を二つ。一つは伊橋勲さんと松本淳さんがさいたま市緑区の小学校校長を全員(50人くらい)集めてやってくれた研修会。ありがとうございました。もう一つは、田沼隆志さんが千葉県議会の議員を大勢集めてくれた研修会。田沼さんはぼくの連続講座に毎回参加してくれるほど熱心で政治家には珍しく有難い方です。どちらもなかなかできない講座だったので嬉しかった。効果はわからないけれど。ありがとうございました。
最後にちょっと特別な方に謝辞。ラーンジャパンのホール典子さん(ウェールズ)。ものすごい企画を実行してくれてありがとうございました。ZOOMが始まってすぐのころに教えてもらって、アメリカの西海岸時間とアジア時間とヨーロッパ時間の週3回のオンライン授業をやりましたね。コロナ前の2016年(千葉の講座を始めてすぐ)のことでした。休み休みでしたが2年半くらい続けてなんとか最後の授業までやったような記憶ですが実際はどうだったかな?今はとっても無理だけど、外国(タイ・ロンドン・ウエールズ・スペインのどこか?・プラハ・ロサンゼルス・リマなどなど)とつながっているという興奮がありそれが妙に嬉しくてやれたんだと思います。典子さんはかっこいい人でラーンジャパンというサイトの思いにほだされたこともありました。ありがとうございました。
このほかにも個人や団体に各地で開催していただきました。皆様ありがとうございました。大事な人が漏れているようなきがしますが申し訳ありません(ボケました!)。
ということで、書きながら思い出しながら、書きました。すべてはみんさまの応援と支えのおかげです。ありがとうございました。
・
コメント