上越の渡辺希さんがFacebookに投稿してくれた。嬉しかったのでその一部を載せます。
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教育の成果というものは、すぐに表れるものではありませんが、
「日本が好きになる!歴史授業」の効果は、
かなり即効性があって、持続性もあると私は感じています。
戦後80年、あまりにも自虐史観に浸されてきて
自己肯定感が下がっている現在の日本においては、
学びで得られる安心感と喜びのようなものが際立って、
子どもたちの心を急速に温めるのではないかなと思います。
日本人であること、それだけで誇らしい。
それがベースになって、親へ、先人への感謝が生まれ、
それがまたベースになって、未来への責任感が生まれる。
齋藤武夫先生の歴史授業は、日本の未来を救う。
私の確信です
再現性めっちゃ高いから!!日本中に広まれ~~
齋藤先生の歴史授業、10年の総括イベント
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ここに「再現性が高い」という言葉が出てきます。教師ならわかりますが、一般の方には何それ?となると思います。渡辺さんは教育現場や授業についてかなり精通している「保護者」さんですので、こういう表現がスッと出てきます。
これは授業の再現性のことを言っています。
「日本が好きになる!歴史全授業」はテキストに書いてある通りに授業がほぼ再現できて、しかも授業の効果(子供たちの変容など)もほぼ再現できる。その可能性が高い。と仰っているのです。このようにもとの授業を再現してみることを教育用語では追試と言っています。理科の実験と同じような位置づけです。
だから、全国の先生方!この授業を試しに再現してみましょう。追試してみましょう。「日本中に広まれ~」といってくださっているわけです。
昔は面白くてよくわかる素晴らしい授業は、その先生が素晴らしいからだ。新米の先生方は一歩でもその先生に近づけるように修行しなさい。教育力は人間力だよ~などと言われていました。
なんのこっちゃ?!
まあそれも一面の真実ですが、教師の仕事の90%は言葉がしています。その先生と同じように言葉や問題をつないでいけば、それに近い授業は出来るんじゃないか。人間力や経験年数にかかわりなくいい授業がほぼ再現できるようになれば、子供たちにとってこんな喜ばしいことはありません。
授業を再現性の高いものにしていい授業を学校と教師の共有財産にしていこうという考え方を最初に実践したのは板倉聖宜さんの仮設実験授業でした。これはおもに科学(理科)の授業を体系化して素晴らしい成果を上げました。が、大量の「授業書」を印刷して、まさにその通りやらなければならず、アレンジすることは禁じられていました。それが一般の教師たちに広がりにくくしたのだと思います。
この発想を引き継いで「だれでもできる」ようにしたのが、向山洋一さんの教育技術の法則化運動でした。現在はTOSSという名前で全国の先生方が向山さんの志を継承しています。
実はぼくの授業づくりの原点もこの教育技術の法則化運動でした。
向山洋一さんの最大の功績は、授業を再現できるように「書く」ためにどうしたらいいのか?という問題に具体的な指針を示したことです。詳細は省きますが、そうしていわゆる「法則化論文(授業を再現できるように書いてある)」が量産されるようになりました。授業がかなりの精度で再現できるようになったのはこの運動のおかげです。また、いい授業をマネしてやることはいいことだ!という教育文化を広めました。これもそれまでにはなかった文化です。
ただ、再現するに値する授業かどうかが次の課題になりました。当時も今も授業の名人と言われる先生や著名な先生はこういうテキストは書かなかったからです。いちばん大事なのは、各教科の第一級の授業が再現可能性の高いテキストにされることでしたが、結局それはできませんでした。「あの先生だからあの授業ができる。凡人には無理だ」という発想が根強く生き続けていたように思います。法則化運動は、その後は若い教師たちの授業の腕を上げる修行の場になっていったように見えます。もちろんそれはそれでとても素晴らしいことです。
ですから、ぼくが歴史の授業づくりを始めたとき、考えたのは「日本通史の授業を1セットつくる」ことでした。日本の通史を80時間で教えるための標準の授業をつくってやろうという目標を立てたわけです。そしてそれを再現可能なテキストとして若い先生方に手渡したいと。
その80時間を追試してもらえば、教育基本法の目標5「国を愛する態度」が育てられる。
学習指導要領6年社会の目標「国を愛する心情」が育てられる。
学習指導要領の「天皇への理解と敬愛の念が深める」ことができる。
そういう80時間の授業が必要です。そうでなければ戦後教育の問題を克服する歴史授業にはなりません。
また内容がいくらすばらしくても、学習方法が子供たちに受け入れられ、楽しく感動のあるものでなければダメです。
ということで、追試すればだれでも、初心者の教師も、中堅の教師も、ベテランの教師も同じような結果を出せる授業が70時間(10時間足りない!が)できたわけです。どの授業も100点満点で60点はいけるんじゃないかと自負しております。これまでの歴史授業よりはずいぶんましなものになっているはずです。
それを「日本が好きになる!歴史全授業講座」というかたちで毎年10回ほど、10年間若い先生方に伝えてきました。
その間、追試してくれた先生方がたくさんいて、その成果も想像以上のものでした。
2月17日には、そのなかから9人の先生方が追試の報告と今後への提言をしてくれます。
Season10までの講座とテキスト作りをプロデュースしてくれた大恩人渡邉尚久校長先生の記念講演もあります。
授業の「再現可能性」という発想と、そのための具体的な手立てがなければ、ぼくの授業は定年退職と共に終わっていたところでした。
2月17日は、その地平を切り開いてくれた先人への感謝と、ぼくの授業を追試してくれた先生方への感謝と、その授業を受けてくれた子どもたちへの感謝と、これまでこの活動を支え応援してくださった皆様への感謝を、ささげる場にしたいと考えています。ありがとうございました。
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