(注)以下の文章は、2019年にFacebookに書いたものです。
「日本が好きになる!歴史授業講座」に一般社会人の方もご参加いただけるようになりありがたいかぎりですが、言い訳をしておいたほうがいいことがあります。
気になってはいましたがこれまで余り触れないできましたので。
私の歴史授業講座は小学校や中学校の授業を現場教師の「授業マニュアル」にできるように伝えています。小学校の先生は国語算数社会理科保健体育図画工作音楽家庭道徳特別活動行事など百科全書的な指導を毎日やっています。すべてを一級のレベルでこなすのは至難の業です。
そこでせめて歴史だけでもそのまま真似してやれば子供達に歓迎され、しかも健全な自我形成がすすみ、学力もつく授業になるようにと、講座と本とCDで伝えてきました。
実際、真似してやってくれた先生方からは高い評価を得ています。その証拠として子供たちの感想文なども公開されています。FBでもしょうかいしてきました。
真似してやることを教育界では「追試」といいます。(厳密には、真似してみて、元実践者の授業効果が再現できるかを検証すること)
ですから、大人もこの授業の歴史で間に合うかと言われれば、それは間に合いません。これは子供向けの歴史です。
国民としての教養の土台を創るものですとお答えしてきました。
大人のための國史として足りないところは様々あるのですが、一番重要なことはひとつです。
それは日本の歴史の光を教えて日本の歴史の闇はあえて教えていないと言うことです。
日本のよいところ素晴らしいところを教える。
世界の中でも日本文明(一国一文明)として際立つところをしっかり教える。
もし敵対する国(戦争など)があれば、当時の先人の立場になって考える。あくまで日本の味方になって肯定的共感的に学習する、という大方針で作られた授業なのです。
日本の歴史を学ぶ小6から中2まで、11歳から14歳という年齢はいわゆる自我形成期に当たります。
この時期に、戦後70年の日本の子供達は「日本は悪い国だ」と教えられてきました。
たとえば「侵略してきた日本軍に、中国民衆は団結して戦いました」「日本軍は南京で30万人の中国市民を殺害しました」(東京書籍小6教科書)という感じです。
これで自我形成が歪まなければどうかしています。国家が自国の少年少女を学校でいじめてきたと言えるでしょう。
自我形成期の精神発達にとって、子どもが所属する共同体が否定されることは致命的なダメージを及ぼします。
たとえば「おまえの親は凶暴な悪人だった」と教えられた子どもを考えてみてください。
所属する共同体(家族や国家)を否定されることはアイデンティティーを潰されることなのです。
これは発達心理学の常識です。
自我形成期の歴史教育は祖国をとことん肯定するものでなければなりません。なかなか理解してもらえないのですがこれは本当のことです。それが土台になって大人の人格がつくられます。土台は可能な限りしっかりつくらなければなりません。
しかし、日本の未来に直接責任のある日本国民(大人)がその國史で止まっていてはいけないでしょう。
日本はすべて上手くやって来たわけではないし、いつも成功し続けたわけでもありません。
間違い、、失敗、愚かさ、うぬぼれ、油断・・・先人もまた同じ人間としてたくさんの教訓を残しています。
また、あらゆる日本人の長所は短所でもあるはずです。
しかしながら、上述したように、私の授業では「自我形式の健全な歴史」を優先してそれらを扱えないということなのです。
ご理解いただければ幸いです。
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