船橋小の授業「千葉の偉人伊能忠敬」2



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船橋小の子供たちの感想文を読みながら感動したり考えたりしています。伊能忠敬の授業をつくるときに考えたことと授業の結果(感想文)を照らし合わせながら。

最重要なのは「なぜ実測日本地図だったのか?」です。幕末の西洋列強のアジア進出、とくにロシアの南下がなければ幕府はあそこまで必死で実測地図をつくってはいません。安全保障上の重要なアイテムだったわけです。これが歴史授業としての伊能忠敬教材化の中心です。

感想文で児童がそれに触れていることが授業評価の基準ですが5割いませんでした。歴史の授業としては落第点でしたo(笑)。まだまだ修行が足りません。

もっとも伊能忠敬の授業でこの視点のない授業は始めから落第ですが。

たとえばこんな感じです。

「さらに日本を守るために正確な地図をつくって、少しのズレでも再び作業をし直すという仕事ぶりが、正確で美しい地図をつくることにつながったのだと思います」(Yくん)

また国のために役立っているという強いモチベーションが、歯が全部なくなって奈良漬もかめなくなった老人忠敬を歩ませているという視点もあります。

「もし伊能忠敬がいなかったら、日本がピンチだったかもしれないし、日本地図はなかったかもしれない。考えると千葉だけじゃなく、日本の偉人だと思う。日本のために役に立てるって思える心が自分の夢を支えてくれていたんだと思う」(Aくん)

つまり人物で歴史を学ぶとき、歴史上の人物(偉人)が日本をつくり、守り、発展させるために、何をしたのかという視点が重要だと考えているわけです。また、未来の主権者を育てるために、国や社会のために役に立てることを肯定的に、積極的に、評価できる思考や心情が大切であると思います。

伊能忠敬は人物が面白いので、いろいろなファクターやエピソードを盛り込みすぎたと言えるのかもしれません。

でも、まあ、楽しく学べれば、最後は全部つながってくるんですけどね(と、逃げておきます)。

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この記事を書いた人

昭和24年、埼玉県生まれ。昭和59年、大宮市の小学校教員に採用される。大宮教育サークルを設立し、『授業づくりネットワーク』創刊に参画。冷戦崩壊後、義務教育の教育内容に強い疑問を抱き、平成7年自由主義史観研究会(藤岡信勝代表)の創立に参画。以後、20余年間小中学校の教員として、「日本が好きになる歴史授業」を実践研究してきた。
現在は授業づくり JAPAN さいたま代表として、ブログや SNS で運動を進め、各地で、またオンラインで「日本が好きになる!歴史授業講座」を開催している。
著書に『新装版 学校で学びたい歴史』(青林堂)『授業づくりJAPANの日本が好きになる!歴史全授業』(私家版) 他、共著に「教科書が教えない歴史」(産経新聞社) 他がある。

【ブログ】
齋藤武夫の日本が好きになる!歴史全授業
https://www.saitotakeo.com/

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