山﨑敏哉「弥生時代とChatGPT」



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7:40 24℃ 今朝は何故かランナーもウォーカーもいない。秋の気配がずいぶん濃くなってきた。

あんまり妄想が進まず断片的過ぎるので、今朝は昨夜届いた倉山塾のメルマガの一部を紹介します。

山﨑敏哉さんの絶品エッセイが載っていたからです。山崎先生は日本が好きになる!歴史授業を追試するだけでなく、先日のように高橋ゼミの先生方に勧めたり、こういうエッセイを書いたりして、常に広げる活動をしてくれています。感謝しかありません。

このエッセイもぼくの実践の本質的な部分を深く理解してくださっていて、有り難い限りです。

では引用します。

前後に倉山さんのコメントも一緒に。

ーーーーーーーーーー

さて、本日はリレーエッセー。

山崎さん

【弥生時代とChatGPT】

私は現在小学6年生の担任をしています。

6年生は社会科で歴史の学習をします。

私は9年前に

『日本が好きになる!歴史全授業』著者で、

倉教組のメンバーに加わっていただいた

齋藤武夫先生とのご縁をいただき、

授業を追試させていただくことで

斎藤実践に学んできました。

齋藤実践の力は本当に偉大で、

これまで6年生を担任した時には

必ず全授業の追試をして、

子供たちは例外なく日本が好きになりました。

歴史が自分ごとになりました。

何より、指導している私の

歴史に対する眼差しが変わりました。

今年度も齋藤実践の追試で歴史を教えています。

「縄文時代のご先祖さまの暮らし」を教えた後、

「弥生時代のご先祖さまの暮らし」の

学習をしたときのことです。

齋藤実践は、

授業の中に「政策選択」の場面があります。

歴史上の人物の立場に立って、

時代の条件を鑑みて

政策を選択することを疑似体験します。

子供たちは真剣に政策を選択し、白熱して議論し、

時のリーダーたちが選んだ選択の結果を

固唾を飲んで見守り、

結果について一喜一憂します。

「歴史に参画した」という感覚が自ずと育ち、

それが歴史を自分ごとにとらえることに

つながっていく感じです。

『日本が好きになる!歴史全授業』から

以下、引用です。

=============

タイムマシンに乗って

2300年くらい前に行きましょう。

みなさんは1万年続いてきた

縄文の文化をご先祖さまから

受け継いできた縄文人です。

いま、海の向こうのから

大規模な米作りや

金属の道具や武器が伝わってきました。

これを取り入れると、

今までの自然とともに暮らす生活、

ムラ同士が助け合って生きる生活、

身分の差もあまりなく、

大きな変化もない暮らしは終わってしまいます。

あなたが縄文のリーダーだったらどうしますか。

AかBを選んで、その理由をメモしましょう。

<A>新しい文化を受け入れ、より変化することを選ぶ。

<B>新しい文化を受け入れず、今までの暮らしを守る。

=============

ご先祖さまの立場に立って考え、悩み、

AかBかを選択しました。

このときに、<B>を選ぶのはどんな感覚かを

子供たちに味わってほしかったので、

例え話をしました。

「現代でいうと、AIみたいなものかな。

AIの世の中がそこまでやってきている。

この文化を受け入れれば生活は豊かになるし、

発展する。

反面、なくなってしまう仕事もあるかもしれないし

危険も多くある。ChatGPTって知っていますか。」

といって、ChatGPTを紹介しました。

習ったばかりのことだとわかりやすいかなと思い、

「縄文時代について教えて」

「小学6年生にわかるように教えて」

「クイズにして出して」

など質問し、私とAIのやりとりを紹介しました。

子供たちは興味津々。

便利なことは分かったけれど、

メリットもデメリットもある。

その後、

AIのデメリットも子供たちと共有しました。

「その上で、みなさんは

このAIを受け入れますか、受け入れませんか。

この受け入れるか受け入れないかという感覚が

<A>と<B>を選ぶということですよ。」

と教えました。

子供たちと議論した結果、

「テクノロジーは進むから、

上手に付き合っていくしかない」

という意見が多く出ました。

ご先祖さまが選んだように、

我々も常に選択している。選んだ結果が、

歴史になっていく。

どちらが正解、不正解ということはなく、

選んだものが歴史になった。

斎藤先生の歴史授業は、

倉山先生の「どうなるかよりも、どうするか?」を

歴史上の人物の視点に立って学ぶことができます。

歴史が好きな子は、

「どうなるか?」についてはとても詳しいですが、

「どうするか?」の視点をもったことがないので、

最初は戸惑うこともありますが、

授業の中で鍛えていくうちに、

「どうするか?」の視点で

考えられるようになっていきます。

齋藤実践を通して「どうするか?」を

考えることの心地よさをあじわい、

自分の頭で考え、

自分の人生を自分の力で切り開いていこうとする

日本人を育てていきたいです。

ーーー

素晴らしい!

文章も生き生きとしていて伝わってくるし、

何よりやっていることが素晴らしい!

歴史を学ぶ時に最も大事なのは、

その時代の人々の価値観を再現する事。

現代の視点で評価するのではなく、

その時代の人々の常識、知りえた情報で

判断しなければならない。

誰も未来が分からない中で決断しているのだから。

だからこそ倉山塾は

「どうするか!」を大事にします。

「どうなるか?」なんて

わからない中で決断する為に

学んでいると言ってもいい。

答えが分かっているなら誰でも決断できる。

「この人たちはなんて愚かな決断をしたのだろう」

と決めつける前に、

「どうして、そのような判断に至ったのか」

を知る努力が必要です。

その努力、膨大になるのですが。

分かった気になるのではなく、

何が分からないかを知るのが学びです。

草、湖の画像のようです
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この記事を書いた人

昭和24年、埼玉県生まれ。昭和59年、大宮市の小学校教員に採用される。大宮教育サークルを設立し、『授業づくりネットワーク』創刊に参画。冷戦崩壊後、義務教育の教育内容に強い疑問を抱き、平成7年自由主義史観研究会(藤岡信勝代表)の創立に参画。以後、20余年間小中学校の教員として、「日本が好きになる歴史授業」を実践研究してきた。
現在は授業づくり JAPAN さいたま代表として、ブログや SNS で運動を進め、各地で、またオンラインで「日本が好きになる!歴史授業講座」を開催している。
著書に『新装版 学校で学びたい歴史』(青林堂)『授業づくりJAPANの日本が好きになる!歴史全授業』(私家版) 他、共著に「教科書が教えない歴史」(産経新聞社) 他がある。

【ブログ】
齋藤武夫の日本が好きになる!歴史全授業
https://www.saitotakeo.com/

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