ROMAN HOLIDAY
をみてきた
オードリーを映画館で最初に見たのは南銀の東映で「ティファニーで朝食を」だった。封切り(地方館でこうは言わないのかな?)初日。
なぜ覚えているかというと「中学生になったら一人で映画を見に行ってもよい」という話になっていて、中一の4月か5月に乏しい小遣いをためて、何でもいいから洋画を見るんだ!という固い決意で南銀東映に出かけたからだ。
それがたまたまオードリーだった。
帽子・サングラス・ワンピース・手袋・ハイヒールのきれいな外人?!女性が紙袋のパンを食べながら早朝のティファニーのショーウインドウを覗いていた。
オシャレでかっこいいスタート。
のっけから陶酔的になっていた(と思う)。カポーティなんて知らないし、彼女が愛人業(売春婦?)だといった筋もわからない。出っ歯でメガネの醜いアジア人が日本人だったことも気づかなかった。ムーンリバー。雨に濡れた猫。エトセトラ。
それがハリウッドを見た初めでした。と思っていたが、王子にいた従妹の恵子ちゃんから「ベンハーに連れて行ったことあるよ」と母の通夜で聞いた。まるで覚えてない。1959公開だから3年生かな?
・・・だめだ。だめだ。
またまた本題にいくまでに何日もかかってしまいそうです。
ローマの休日はオードリーのハリウッド・デビュー作であり、オードリーの最高傑作です。
涙出てきて仕方がなかった。
一人でよかった。
美容院で髪を短くするシーン、オープンカフェ、真実の口、願いの壁、船上のダンスパーティ、びしょ濡れのキスシーン・・・ずっとただ見ほれていました。
でもやっぱりこの映画のピークのシーンは、何とっても甘ったれた一人のおてんば娘が、一夜一日のわがままな冒険を経て、自らきっぱりと本物の王女(国民への責任を果たす自立したレディ)になるシーンですね。あの最後の毅然とした振る舞いと表情と王女のセリフ。もうゾクゾクするシーンです。ホント泣けます。
ぼくは何はともあれ?女性至上主義者?ですが、優先順位は変わっていきました。この映画はチャーミングが一番という性欲以前時代の最高位でした。次にホルモン的な価値!が一番だという暗い情熱時代が来て、やがて賢さが一番という当たり前の時代になり、還暦を過ぎて数年過ぎたあたりから、元の木阿弥。始まりのチャーミングが最高!時代にもどってこれを書いています。ふ。
70年前のローマだからチャーミングな女性が夜道を一人で歩いても大丈夫です。相手がほかならぬグレゴリー・ペックですからどうなったって大丈夫です。
70年後のいま、「ローマの休日」のような巷の恋に身を焦がしたら、たぶん世界中の王女はみんな、そのまま手に手を取って宮殿を後にしてしまうだろうな。なにしろ70年だからね。何もかも変わってしまいました。
MOVIXは今日だけ。たった一回だけの公開でした。
みなさんの街の映画館はどうでしたか?
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