★聖徳太子は日本の仏教の祖です。ですから仏教を興した人物であることは間違いありません。摂政に就任して最初にやったのは「仏教興隆の詔」を発して寺院の建立や僧侶の教育を進めることでした。
★しかし、そのおよそ15年後、隋との対等外交を進める直前に「敬神の詔」を発して、自ら蘇我氏やすべての役人を引き連れて天神地祇(日本の神々)を祭ったことはあまり知られていません。
★これによって、わが国は仏教という理念宗教と神道というアニミズムに起源を持つ自然信仰・先祖信仰をともに大切に為ていくという大方針が定まりました。この信仰政策は世界でも類例のないもので、これによって日本の歴史を貫く文化戦略の大方針がさだまったのです。
★この信仰政策は歴史教育ではまったく取り上げられませんが、私は日本精神の独自性の原型ではないかと考えて取り上げてきました。
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