中学2年「日英同盟」の授業



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《授業の意図》
三国干渉によって誇りを傷つけられ、また国力の不足を思い知らされたわが国は、臥薪嘗胆を合い言葉に「ロシアの侵略から国を守るにはどうしたらいいか」という課題に取り組む。小村寿太郎らのリーダーシップと外交によって、わが国は大英帝国との同盟を選択し、ロシアとの開戦を覚悟する。三国干渉を受け入れるべきか否か、日露同盟か日英同盟かという場面で、祖国の進路を考えさせたいと思う。

1 三国干渉

下関条約に満足した日本国民に冷水をあびせるような事件が起きた。
ロシア・フランス・ドイツの連名による、三国干渉である。彼らは日本政府に要求した。
「遼東半島を清に返還せよ。・・・さもなくば戦争だ!」

まさに帝国主義そのものです。まったく戦争とは関係ない国が、講和会議で合意した内容にくちばしをはさんできたのです。世界2位の大国ロシアとそれに続く列強2国です。

みなさんが日本のリーダーだったら、どちらを選びますか?
A 返還し、戦争は避ける。
B 返還要求は断る。

生徒は、A(11名) B(17名)でした。
A・・・列強を3つ相手では戦えない。ここはがまんすべきだ。まだまだ日本はこれからだ。
B・・・何言ってんの?関係ない国が勝手なこと言うな。戦争で血を流したんだ。こんな奴らの言うことききたくない。

陸奥宗光や伊藤博文ら明治政府は、Aを選び、清国に遼東半島を返還した。
強い国は勝手なことを言える時代だった。
とりわけアジア人の国日本には何を言っても何をやっても許された時代だった。

しかし、ことはそれだけではすまなかった。
3年後、その遼東半島をロシアが清から奪い取り、旅順にロシア東洋艦隊の軍港を築いた。
旅順の周囲の山々には、史上最強のトーチカを築いた。
ウラジオストク港と旅順港で、日本海はロシアの勢力圏になった。
生徒は「くやしい!」と言った。
私たちの先祖もたしかにくやしかったのだ。
(つづき)


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この記事を書いた人

昭和24年、埼玉県生まれ。昭和59年、大宮市の小学校教員に採用される。大宮教育サークルを設立し、『授業づくりネットワーク』創刊に参画。冷戦崩壊後、義務教育の教育内容に強い疑問を抱き、平成7年自由主義史観研究会(藤岡信勝代表)の創立に参画。以後、20余年間小中学校の教員として、「日本が好きになる歴史授業」を実践研究してきた。
現在は授業づくり JAPAN さいたま代表として、ブログや SNS で運動を進め、各地で、またオンラインで「日本が好きになる!歴史授業講座」を開催している。
著書に『新装版 学校で学びたい歴史』(青林堂)『授業づくりJAPANの日本が好きになる!歴史全授業』(私家版) 他、共著に「教科書が教えない歴史」(産経新聞社) 他がある。

【ブログ】
齋藤武夫の日本が好きになる!歴史全授業
https://www.saitotakeo.com/

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