幕末・明治の日本人



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新しい歴史教科書をつくる会の『中学社会 新しい歴史教科書』(自由社)を使っていて素晴らしいと思うことに、見開き2ページのコラムがあります。

今日は2年生の授業の中で「外の目から見た日本:幕末・明治期の日本人の生き方」と題するコラムを読みました。
幕末から明治にかけて日本を訪れた外国人が記録したご先祖様(庶民)の様子を紹介したものです。

横浜で英字新聞を出していたジョン・ブラックは「日本人はみな柔和で、礼儀正しく、かなりの独立心を持っている」と書いています。(『ヤングジャパン』)

文久3年(まさに攘夷が最高潮になった日本)に来日したスイスのアンベールは、彼が気に入った花を束にして勧め、いくら頼んでも決して礼を受け取らなかった農民のことを書いています。(『絵で見る幕末日本』)

著名な旅行家イザベラ・バードも、1里の道を戻ってなくした革紐を探してきてくれた馬子が、何銭かの礼を受け取ろうとしなかったと書いています。彼女によれば馬子は彼女にこう言いました。「旅の終わりになにもかも無事な状態で引き渡すのが私の責任です」と。(『日本紀行』)
彼女から見れば下層階級の教育もない馬子が、英国紳士かとも思われるほどの、仕事への責任感とプライドを持っていることに驚嘆しているのです。

東大に招聘されたエドワード・モースは、人力車夫が客を公平に分け合い、アメリカの辻馬車屋だったらたちまち喧嘩になりそうな場面でも「お互いに邪魔したことを微笑で詫び合うだけ」だったことに驚いています。(『日本その日その日』)

それ以外にも、日本人の簡素な生活の中の豊かな心や、貧富身分による生活格差が小さいことなど、文明社会日本の姿に素直な驚きを隠しません。

生徒達はとても柔らかないい表情で教科書を目で追い、私の音読を静かに聞いていました。

では、感想文を少し。

*日本人は他の国とちがって、優しくて、相手をとても尊重するんだなあと思いました。そんな人たちが私たちの先祖で良かったです。良い話ばかりでした。他の国を植民地にしてたなんてとても思えません。

*私たちのご先祖さまたちは立派だと思いました。みんな、かっこいいです。今の日本人にはこの心が欠けているかも? 今日の話を聞いて、大和魂のすごさ、すばらしさを感じ取れました。私もこういう日本人になりたいです。

*日本人の人柄は素晴らしいと思いました。自分のことではなく人のために努力したりします。子孫として生まれたことを誇りに思います。

*P172~173を読んで、無償の親切は素晴らしいと思いました。お金を受け取らない。わざわざ1里も引き返して探すという心が私にはあるかな? と考えさせられました。こんな心を持った人たちがいる日本に生まれてよかったと思いました。

*これを読んで、日本人としてもうちょっと誇りを持ってもいいかなと思いました。現代の日本人はシャイな人がふえて、ろくにあいさつもできない人がいるけど、誰かのために無償で頑張る人、自分の仕事に責任を持つ人は今でも健在です。ご先祖様がこんなに素晴らしかったんだから、心がけしだいで、あいさつの絶えない素晴らしい国になれるはずです。どんどん日本が良い国になってくれたらうれしいです。

こんないい生徒に、素晴らしい教科書を使って教えられる幸せをかみしめています。

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この記事を書いた人

昭和24年、埼玉県生まれ。昭和59年、大宮市の小学校教員に採用される。大宮教育サークルを設立し、『授業づくりネットワーク』創刊に参画。冷戦崩壊後、義務教育の教育内容に強い疑問を抱き、平成7年自由主義史観研究会(藤岡信勝代表)の創立に参画。以後、20余年間小中学校の教員として、「日本が好きになる歴史授業」を実践研究してきた。
現在は授業づくり JAPAN さいたま代表として、ブログや SNS で運動を進め、各地で、またオンラインで「日本が好きになる!歴史授業講座」を開催している。
著書に『新装版 学校で学びたい歴史』(青林堂)『授業づくりJAPANの日本が好きになる!歴史全授業』(私家版) 他、共著に「教科書が教えない歴史」(産経新聞社) 他がある。

【ブログ】
齋藤武夫の日本が好きになる!歴史全授業
https://www.saitotakeo.com/

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