鈴木庫三の座談会での発言を引用する。
1940年11月号『新若人』掲載。
八紘一宇の精神というのは、
大王亜共栄圏の民族に皆所を得させる、
安定を与えることである。
言葉をかえていうと、
日本人の物質的水準を上げないようにして、
満人なり中国人のレベルをそこまで持ってこなければならぬ。
今日の日本人は、
そういう単なる経済的資源であるとか、
あるいは英米にとってかわって、
日本が搾取的な地位に立って、
イギリスの植民地のような真似をやろうという、
けちな考えは全然ないのですからね。
そういう点をあんた方の雑誌を通じて、
どんどん中国のインテリなり青年なりに、
伝えてもらいたいと思うのですね。
鈴木は「教育の国防国家」をとなえて、
国家総力戦体勢の中で、
八面六臂の活躍をした。
彼は極貧のなかに育って、
苦学したが陸軍大学には進めず、
不公平と不平等を憎んだ、
善良なる「ファシスト」だったことがわかる。
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