昭和の戦争ノート11



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関岡英之『帝国陸軍 見果てぬ「防共回廊」』(祥伝社)を読みました。

引用します。


外務省外交資料館に所蔵される「新彊革新計画」の概要は以上のとおりである。
もし実現していれば、
東に愛新覚羅溥儀を皇帝とする満州帝国、
中央に徳王を首班とするモンゴル国家、
そして西にムハンマド・イミン・ボグラを首班とする東トルキスタン国家が、
ソ連を囲繞し、
林銑十郎、松室孝良らの先覚者が夢想した防共回廊が、
壮大な城壁として、ユーラシア大陸に屹立するのを、
目撃することができたであろう。


引用終わり。

本書は、陸軍の諜報機関が構想し工作を展開した、
親日防共国家独立運動について、
新資料を発掘して詳述しています。

チベットについてもこう書いています。
引用します。


日本とチベットは反共という価値観を共有し、
ソ連の脅威に対する安全保障という地政学的な利害が一致することを、
チベット側は鋭く認識していたが、
大正デモクラシー期の日本の当局者は、
日英同盟をひたすら護持するばかりで、
思考停止していたわけである。


これらはみな、中華人民共和国に支配されているいわゆる「自治区」です。

やはり、大正から昭和初期に至る日本の分裂について、
しっかり勉強しなければならないようです。
それは、日英同盟の日本という立場を守り続けていたらどうだったかを、
問うことでもあると思います。

内閣と政党についてあまり具体的に考えてこなかったなと、
いや、そもそもほとんどわかっていないなと、
気づきました。

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この記事を書いた人

昭和24年、埼玉県生まれ。昭和59年、大宮市の小学校教員に採用される。大宮教育サークルを設立し、『授業づくりネットワーク』創刊に参画。冷戦崩壊後、義務教育の教育内容に強い疑問を抱き、平成7年自由主義史観研究会(藤岡信勝代表)の創立に参画。以後、20余年間小中学校の教員として、「日本が好きになる歴史授業」を実践研究してきた。
現在は授業づくり JAPAN さいたま代表として、ブログや SNS で運動を進め、各地で、またオンラインで「日本が好きになる!歴史授業講座」を開催している。
著書に『新装版 学校で学びたい歴史』(青林堂)『授業づくりJAPANの日本が好きになる!歴史全授業』(私家版) 他、共著に「教科書が教えない歴史」(産経新聞社) 他がある。

【ブログ】
齋藤武夫の日本が好きになる!歴史全授業
https://www.saitotakeo.com/

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