坂本龍馬



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坂本龍馬
■勝海舟の思想と坂本龍馬の行動を通して、日本人同士の戦いを避けて江戸幕府を終わらせ、新しい日本を創ろうとした人々がいたことを理解させる。この授業(龍馬の言葉を考える発問など)は安達弘先生の追試です。

1 坂本龍馬

■坂本龍馬の写真を貼る。
坂本龍馬

【板書】1835年 土佐藩に生まれた(郷士)

『○×クイズです』

①この人物は、剣術が強かった。
②この人物は、少年時代泣き虫だった。
③この人物は、18歳ぐらいまで寝小便をしていた。
④この人物は、日本で最初の貿易会社を作った。
⑤この人物は、ペリーの黒船を自分の目で見た。

【すべて○とする。それぞれかんたんに説明する】

■地図で土佐藩を示す。
*ペリーが来てからおよそ10年後。龍馬は28歳で土佐藩を脱藩。
*そのころ京都では、幕府派と反幕府派との殺し合いになっていた。長州藩VS幕府の戦争もあった。
『そういう大変な時期に、この若者も国のために何かしたいと考えて土佐藩を脱藩した』
*脱藩は大罪であったことを話す。

2 運命の出会い

『江戸に出た、反幕府派の龍馬は幕府のリーダー・勝海舟に会いに行った。斬りに行った、と言われる。』 

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■資料「勝海舟の話」を配る。


勝海舟は坂本龍馬にこう語った
●この語りは創作です。司馬遼太郎などを参照。

  勝海舟(かつかいしゅう)
幕府の軍艦奉行 1822 ~

 坂本さん、刀はもうちょっと、引きつけておきな。そうじゃないと、おれは斬(き)れないよ。まあ、おれを斬るのは、いつでもできるだろうから、今日は、アメリカの話でも聞いてお帰りよ。
 おれは二年前、咸臨丸(かんりんまる)に乗ってアメリカに行って来た。何がおどろいたって、あそこじゃ、国の政治は、選挙で選ばれた人物がやるという話だった。将軍家も、殿様(とのさま)もないんだ。だから、上に立つ者はみんな、ひとかどの人物だよ。バカでも身分や家柄がよいというだけで、リーダーになれるような国とは、いきおいがちがうというわけさ。
 おれたちはいま、そんな国を相手にしているんだ。今のように、国内で戦いあっているようじゃ、日本はあぶないよ。どっちが勝ったって、日本全体としてみりゃ、弱っていくばかりなのさ。そんなことをしていたら、西洋の植民地にされちまうかも知れないぜ。
 それでもいいのかい、坂本さん。
 西洋にやられないためには、軍艦だって大砲だっているんだよ。そいつを手に入れるには、西洋とつきあうしかないんだ。大砲も軍艦もない、サムライは藩に分かれていて、国としてまとまった海軍も陸軍もない。こんなことで、どうやって国を守れるっていうんだい。
 国が一つにまとまって、いざとなれば戦うという気力を見せれば、西洋にだって、そうかんたんには、やられやしないよ。
 幕府だ、長州だ、薩摩だと、日本人どうしで、けんかをしている場合ではないということさ。 
どうだい、人殺しなんかやめにして、おれといっしょに海軍をつくる仕事をやらないか。よかったら明日からでも、おれの海軍繰練所(かいぐんそうれんじょ)においで。


■読み終わってから、次の指示をする。

 龍馬は、勝の話を聞いて、体を電流が流れたように感動してしまったそうです。
 なるほど、自分が当時の武士だったら驚いただろうところに一ヶ所にだけ線を引きなさい。

*列指名で発表。同じ所に線を引いた者に挙手させる。
【よほどピントがはずれてなければすべて正解とする】

■龍馬の手紙を教える。「日本第一の先生の弟子になった。これからはこの先生について日本のために働く・・・」

3 薩長同盟

■『龍馬は勝先生に学んで、海軍の勉強をしたり、貿易会社をつくったりしながら、日本を変えるために働きました。その活躍ぶりを見ていきましょう』

①第1次長州征伐は幕府と薩摩が組んで、長州をたたいた。長州は薩摩を憎んだ。

②しかし、勝海舟も坂本龍馬は、日本はもう幕府ではもたないと考えていた。

③そこに、薩摩も方針を変えて「幕府はもうダメだから、長州と手を結びたい」と考え始 めているという情報が入ってきた。

④龍馬は「長州と薩摩のけんかをやめさせる」ことを考えた。龍馬は自由の身だから、あちこち飛び回れる。西郷さんと会ったり、桂小五郎(木戸孝允)さんと会ったりしながら、両方が手を結ぶ話を進めた。

西郷隆盛
隆盛西郷

木戸孝允
木戸孝允

⑤しかし、2人を会わせてもなかなか同盟の話が出ない。お互いに憎み合ってきた過去があるから、相手から前(さき)に言わせたいんだね。
 そこで、龍馬は二人にこうどなりつけたそうです。

「まだそんなちっぽけな、藩の体面や意地にこだわっちょるがか-!
    ○○のためでも、○○のためでもない。
    ○○のためだ!」

この○○に、どんな言葉が入るでしょうか?

*発表させる。
【薩摩のためでも、長州のためでもない。天下(日本、国など)のためだ-!】

【板書】1866年、薩長同盟成立。

『幕府は2回目の長州せいばつをやったが、薩摩はそれに参加せず、幕府側が負けてしまった(高杉晋作参照)』

4 戦わないで、江戸幕府を終わらせるアイディア

*こうして日本の対立は、「幕府VS(薩摩+長州)」となった。

■薩摩と長州が、幕府を倒す戦い。

そこで、坂本龍馬は、こんどはこのけんかをやめさせられないかを考えました。
それは、「戦わないで江戸幕府を終わらせる」という、驚くべきアイディアでした。
   それはどんな方法だったでしょう?

*近くの人と相談して考えさせる。発表させる。

【板書】1867年10月、大政奉還(第15代将軍徳川慶喜が、みずから政権を朝廷(天皇)にお返しした)
    江戸幕府が終わる。

『第15代将軍、徳川慶喜は、龍馬が考えたこの案を実行しました。これを大政奉還といいます。これからは、朝廷を中心に新しい国づくりをしていきましょう、というのが坂本龍間の考えだったのです。こうして、260年続いた徳川幕府が終わりました。1867年10月のことです。』

■プリントの勝の言葉「国内で戦ってはならぬ」を確認させる。
 

5 まとめ

『泣き虫で寝小便たれだった少年は、浪人の身軽さをフルに使ってとびまわり、薩長同盟と大政奉還という大仕事をやりとげました。この大仕事によって、江戸幕府は倒れ、新しい時代が幕を開けることになりました。
しかし、龍馬はその1ヶ月後に死んでしまいました。何者かによって暗殺されたのです。犯人は今もなおわかっていません』

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この記事を書いた人

昭和24年、埼玉県生まれ。昭和59年、大宮市の小学校教員に採用される。大宮教育サークルを設立し、『授業づくりネットワーク』創刊に参画。冷戦崩壊後、義務教育の教育内容に強い疑問を抱き、平成7年自由主義史観研究会(藤岡信勝代表)の創立に参画。以後、20余年間小中学校の教員として、「日本が好きになる歴史授業」を実践研究してきた。
現在は授業づくり JAPAN さいたま代表として、ブログや SNS で運動を進め、各地で、またオンラインで「日本が好きになる!歴史授業講座」を開催している。
著書に『新装版 学校で学びたい歴史』(青林堂)『授業づくりJAPANの日本が好きになる!歴史全授業』(私家版) 他、共著に「教科書が教えない歴史」(産経新聞社) 他がある。

【ブログ】
齋藤武夫の日本が好きになる!歴史全授業
https://www.saitotakeo.com/

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